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2021 年度 実績報告書

空間認識が人工内耳装用者の平衡機能に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11341
研究機関岩手医科大学

研究代表者

平海 晴一  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10374167)

研究分担者 小林 有美子  岩手医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20740765)
佐藤 宏昭  岩手医科大学, 医学部, 教授 (40215827)
米本 清  岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (90305277)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード重心動揺計 / 人工内耳 / 補聴器
研究実績の概要

【補聴器装用者に対する影響】
補聴器装用者と健聴者を比較すると、両者とも動揺速度は聴覚入力によって有意に改善した。外周面積は閉眼やラバー負荷の環境で改善した。前後最大振幅は両者で差がなかったが、左右最大振幅は聴覚入力の有無に加えて視覚情報の有無・体性感覚情報の有無・健聴者/補聴器装用者の間に有意な交互作用を認めた。さらに解析すると、健聴者では閉眼時に聴覚入力によって左右最大振幅が改善した一方で、補聴器装用者はこの変化は認めないことが分かった。難聴者における聴空間分解能は左右方向が低下している一方で前後方向は保たれるとの報告があり、外周面積や前後/左右最大振幅は聴空間認識の影響を受けている可能性がある。動揺速度は外周面積と聴覚入力の影響が異なっており、聴空間認識以外の機構が関与している可能性がある。
【一側人工内耳装用者に対する影響】
一側人工内耳装用者と健聴者で同様の比較を行うと、人工内耳装用者では外周面積、動揺速度のいずれも聴覚入力の影響を受けなかった。一側性人工内耳での聴空間分解能は低く、動揺による頭部の一変化を聴覚では検出できないことが影響している可能性がある。その一方で、左右動揺平均中心変位に関しては聴覚入力の有無に加えて視覚情報の有無・健聴者/一側人工内耳装用者の3つの条件間に有意な交互作用を認めた。さらに解析すると、健聴者においては音の有無に関係なく開眼時と閉眼時での左右動揺中心変位に差は無かったが、人工内耳装用者においては、聴覚入力がない状態において左右動揺中心変位は閉眼時に人工内耳側に有意に偏倚したが、聴覚入力がある状態ではこの偏倚は消失していた。人工内耳電極が前庭を刺激することで左右方向の動揺中心を変化させた可能性がある。人工内耳を介した聴覚入力は、視覚情報が不十分な際の体平衡維持に寄与している可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Effect of hearing aids on body balance function in non-reverberant condition: A posturographic study2021

    • 著者名/発表者名
      Ninomiya Chihiro、Hiraumi Harukazu、Yonemoto Kiyoshi、Sato Hiroaki
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 16 ページ: 0258590-0258590

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0258590

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 平衡機能に対する空間識入力の効果 体平衡における聴覚入力の影響について2021

    • 著者名/発表者名
      平海晴一
    • 学会等名
      第80回日本めまい平衡医学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 側頭骨手術解剖実習の基礎2021

    • 著者名/発表者名
      平海晴一
    • 学会等名
      第31回日本耳科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 先天性外耳道閉鎖症に対する人工聴覚器手術2021

    • 著者名/発表者名
      平海晴一
    • 学会等名
      第122回日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 人工中耳の手術アプローチ法2021

    • 著者名/発表者名
      平海晴一
    • 学会等名
      第 83 回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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