小児滲出性中耳炎の難治・遷延例の鑑別診断法を確立し、外科治療の適応基準を明らかにするとともに、難治例に対するより低侵襲で後遺症の少ない治療法を検証することを目的に研究を行なった。 小児滲出性中耳炎症例について、鼓膜の光干渉断層撮影(OCT)を含む各種検査の有用性を検討した。OCTを用いて検討を行った。OCTでは鼓膜の肥厚の程度や中耳腔裏面のバイ オフィルム形成などについての情報が得られることから、急性中耳炎と慢性滲出性中耳炎の鑑別だけではなく、滲出性中耳炎の難治・遷延例の鑑別診断、さらには先天性真珠腫生中耳炎、コレステリン中耳炎などとの鑑別が可能となることがわかった。
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