研究課題/領域番号 |
17K11347
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
金丸 眞一 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 研究主幹 (00271510)
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研究分担者 |
金井 理絵 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 主任研究員 (30574008)
坂本 達則 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 主任研究員 (60425626)
中村 達雄 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 末梢性顔面神経麻痺 / 鼓室内ステロイド / 頭位変換 / 顔面神経スコア / 誘発筋電図 / 顔面神経膝神経節 / 高濃度ステロイド |
研究実績の概要 |
1.臨床研究の継続:29年度に行った臨床研究を継続して行った。 対象患者:末梢性顔面神経麻痺である、Bell麻痺とHunt's症候群と診断された患者で、ステロイド全身投与(計9日間)を行ったが、顔面神経麻痺スコアが柳原法で2点以下(40点満 点)あるいは誘発筋電図(ENoG)値が10%以下の患者。方法:鼓室内に23ゲージ針付シリンシでデキサメサゾン0.5mlを投与し、頭位変換を行い、約20分間一定の頭位を保持する治療を連日7回計7日間施行 した。 評価:上記ステロイド鼓室内投与治療施行後、1週間、1か月、3か月、6か月、1年で、測定した顔面神経スコアとEN0G値、SR(アブミ骨筋反射)、NET(筋電図)などで効果判定を行った。 有害事象に関しては、血液検査ならびに鼓膜穿孔の残存の有無、聴力低下の有無を判定した。結論:Bell麻痺が28例、Hunt's症候群が12例で、Hunt's症候群の1例を除き、上記治療施行後、1週間以内に、40例中35例が顔面神経スコアあるいはEN0G値の値 が、ステロイド全身投与施行後に行った時点の値より回復傾向を示した。また、40例中32例が半年後の顔面神経スコアで30点以上となり、本治療の有効性が確認できた。 2.高濃度ステロイドの開発;鼓室内腔は限られた大きさであるため、一度に投与できるステロイドの量は0.5ml程度である。したがって、頭位変換によって目的とする顔面神経膝神経節部分に到達するステロイドの量は極くわずかであり、効果が不十分な可能性がある。これに対し、高濃度ステロイドを投与することで、ステロイドの効果を高めることができる可能性があることから、セオリアファーマ社と共同開発で通常のデキサメサゾンの4倍量の高濃度ステロイドの開発を行い、ほぼ完成している。令和1年の7月ごろには完成し、内耳に対する安全性の試験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は高濃度ステロイドの製造ができなかったため、当初予定していた動物実験などができなかったが、本年に高濃度ステロイドの製造の目途を立てることができた。 一方、臨床試験は通常濃度のデキサメサゾンを使用して前倒しで行い、本年度さらに症例を増やしてその有効性と安全性を評価した。
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今後の研究の推進方策 |
1.高濃度ステロイドが完成次第、動物実験による内耳毒性の有無の実験を行う。 2.1により高濃度ステロイドの安全性が確認でき、第三者倫理委員会での臨床試験施行の許可が下り次第、高濃度ステロイドによる臨床試験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:前年度に当初予定していた、高濃度ステロイドの製造ができなかったことから、動物実験ができなかったこと、コンピュータの購入を行わなかったことなど 使用計画:今後の臨床試験を考慮してGLP基準を満たすラボで、高濃度ステロイドの安全性の評価を行うための動物実験、成果発表のための国際学会出席、論文発表費用
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