研究課題
基盤研究(C)
好酸球性副鼻腔炎の鼻茸にはフィブリンの蓄積を認めており、鼻閉や嗅覚障害、頭痛などの症状の原因となっている。経口ステロイド薬が一定の効果があるが、副作用の観点から新規治療薬が渇望されている。鼻茸のフィブリン蓄積の原因の一つに上皮細胞のtissue plasminogen activator (tPA)の低下がある。本研究で短鎖脂肪酸に注目しtPA発現誘導が可能であるかを検討した。その結果、鼻上皮細胞から短鎖脂肪酸によりtPAが誘導されることを見出した。
アレルギー
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が発酵作用で作成したものであり、安全な物質である。本研究では、短鎖脂肪酸が受容体依存性にtPAを誘導すること見出した。この結果から、短鎖脂肪酸受容体のagonistの開発に注目し、今後好酸球性副鼻腔炎の新たな治療薬の可能性が広がることが期待できると考えられる。