研究課題
難治性スギ花粉症のバイオマーカーとしてスギ花粉症の長期舌下免疫療法について検討した。スギ花粉大量飛散シーズンでは飛散ピーク時おける症状薬物スコアは舌下免疫療法1年目群に比べ3~5年目群が有意に低いことから、治療前、飛散ピーク時の1年目と4年目で血清分子を網羅的に観察した。スギ舌下免疫療法の研究では、1年目と比較し4年目で血清分子はスギ抗原特異的IgEは減少、スギ抗原特異的IgG4、ApoA-IVは増加した。4年目で有効となる患者は、治療前の血清酸化ストレスマーカーが有意に低値であった。2020年度版鼻アレルギー診療ガイドラインの作成に従事し、難治性スギ花粉症の定義付けのため背景因子について検討すると、難治性スギ花粉症の定義付けのため背景因子について検討すると、受容体拮抗薬耐性の患者、ステロイド内服が必要な患者では血清IgEが優位に高い結果であった。好酸球数や抗原特異的IgEは有意差を認めなかった。鼻アレルギー診療ガイドラインの作成に関してはCQ(クリニカルクエスチョン)1~9を担当した。2020年度版診療ガイドラインの重症度分類表では1表に統一した自案が日本語で採用されている。気道アレルギーマウスモデルを作成し、IL-10産生の疲弊型2型自然リンパ球の存在や2型自然リンパ球の免疫調節分子の発現を観察した。気道アレルギーマウスモデルにおいて下気道でのIL-10産生の疲弊型2型自然リンパ球にTIGIT発現を観察した。研究成果を生かし、薬物効果、手術効果を含めて難治性ダニアレルギー性鼻炎に対する層別化医療、IgE抗体療法の効果や満足度調査、タイプ2サイトカインに対する抗体療法の可能性について、改訂版鼻アレルギー診療ガイドラインへに反映出来る研究を目指す。
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Arthritis & Rheumatology
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