研究課題/領域番号 |
17K11357
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小林 正佳 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80343218)
|
研究分担者 |
西田 幸平 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10456733)
玉利 健悟 三重大学, 教養教育機構, 特任講師(教育担当) (90585176)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 嗅覚 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
本年度は嗅粘膜除去マウスの作製を行い、本実験研究の基礎を確立することに努めた。 嗅細胞が特異的に青色染色されて可視可能な遺伝子組換えマウス・OMP-tau-lacZマウスを用いて、2種類(手術的、化学的)の嗅粘膜除去マウスを作製した。手術的嗅粘膜除去マウスは、マウスにペントバルビタールを腹腔内注射して全身麻酔し、固定器で固定した。鼻骨を外し、嗅粘膜を露出させ、嗅粘膜を剥離して吸引除去する。また前頭開頭も行い、嗅球と篩板を露出させ、テフロンカッターを嗅球と篩板の間に挿入して嗅球を温存しながら嗅神経も切断し、完全な嗅覚障害モデルマウスにした。手術後は閉頭し、動物を覚醒させた。化学的嗅粘膜除去マウスは、メチマゾールを腹腔内投与して嗅粘膜を脱落させることで作製した。どちらのモデルマウスも、組織学的評価だけではなく、行動学的嗅覚検査実験も行い、介入前には正常であった嗅覚機能が介入後に嗅覚脱失状態となっていることを確認した。行動学的嗅覚検査実験は、あらかじめマウスに0.01%ナラマイシン(シクロヘキサミド)水溶液を用いて条件付けの嫌悪学習を行った。次いで、嫌悪学習に成功したマウスに対して、上記介入後に忌避行動をしなくなるのを確認することで嗅覚脱失状態と判定した。 手術的嗅粘膜除去マウスの作製において、確実に嗅粘膜を除去するためには高度な手術手技を要するため、まずはOMP-tau-lacZマウスの特徴を活かして、上記手術後に6週間経過時点で動物を灌流固定し、頭部の組織学的標本を作製して、神経再生を来す残存嗅粘膜がないかを検証するトレーニングを初段階として施行した。 また、移植ドナー用のOMP-GFPマウスが仔を産まなくなったため、バッククロス交配を施行して、再びホモのOMP-GFPマウスが安定供給できるように図った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本実験に使用する遺伝子組み換えマウスの交配による仔の出産が途絶えたため、それをバッククロス交配により再度仔の出産が回復して、実験用マウスの安定供給を図るのに時間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
本来の研究計画に沿って、実験研究を遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前述の実験用マウスの安定供給が危うい状況となったため、それを再開するために時間を要した結果、実験計画が遅れ、そのために使用予定の予算が次年度へ繰り越しとなったため。
今後は予定通りの研究計画を遂行する。
|