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2017 年度 実施状況報告書

神経ペプチド(Galanin)の解析にて斬新なアレルギー性鼻炎の病態と治療の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11364
研究機関杏林大学

研究代表者

横井 秀格  杏林大学, 医学部, 准教授 (80317487)

研究分担者 川田 往嗣  杏林大学, 医学部, 助教 (80782846)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードGalanin / Galanin receptor 2 / Galanin receptor 2 拮抗剤 / アレルギー性鼻炎モデルマウス
研究実績の概要

本研究ではARのいまだ未知なる病態の解明と斬新な治療薬の開発を目指し, ARのモデルマウスを用いてGALとそのレセプターであるGAL receptor(GALR)の関与を検討している. これまでに我々は, OVAを用いたARモデルマウスを作成し, コントロールマウスとの比較にて検討を行って来た. まず, GALRはGALR1, 2, 3と三つのsubtypeがあるが, 鼻粘膜のアレルギー炎症においてGALR2が発現することを見出した. また, ウエスタンブロティングにより, GAL, GALR2の発現は, アレルギー炎症において発現量がコントロールとの比較にて有意に増加していた. しかしながら、N数を増加し、発現量を定量化したものを統計学的処理を行うとGALはアレルギー炎症の増加と共に発現が増加傾向にあったが有意差はなかった. またGALR2は重症アレルギーモデルにてdownregulationの傾向にあったが有意差はなかった. つぎにGRPR2 antagonist(GLAR2A)の点鼻効果を重症アレルギー性鼻炎モデルにて検討したところ, コントロールとの比較にて有意に鼻かき, くしゃみ回数を抑制した. GAL, GALR2の局在はそれぞれ鼻粘膜上皮の一部と鼻腺細胞周囲に認めた. GALR2Aの効果の機序の解明のためにGALR2の発現がマスト細胞に認めるか免疫染色にて検討したところ発現していなかった. さらにヒスタミンの直接的鼻腔投与における鼻かき、くしゃみ回数を抑制しなかった. これまでの結果からGAL-GALR2 systemは, マスト細胞が関与しない, もしくはその前の段階でのI型アレルギー免疫応答に関与していることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は, 全体的にスムーズに進行している。ウエスタンブロティングの結果が研究当初から少し変更があったが, その他は, 予定通りである。

今後の研究の推進方策

GAL-GALR2 systemが, アレルギー性鼻炎の病態に関与しており, GALR2Aが鼻かき, くしゃみ症状を抑えたという結果は, GALR2Aがアレルギー性鼻炎の治療薬になり得ることが示唆された. しかしながら, 未だGALR2Aの効果発現の機序の解明が進んでおらず今後の課題である.
解析タンパクがなくなるとアレルギー性鼻炎モデルマウスを一から作りなおして, GALR2Aを作用させたものとコントロールに分けての解析になり, 時間を要する。

次年度使用額が生じた理由

使用予定であった消耗品の一部を購入せずに済んだため未使用額が生じた。当未使用額は物品費(消耗品費)として平成30年度予算とともに使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アレルギー性鼻炎の病態とGalanin ならびにGalanin受容体2型の関係-モデルマウスを用いた検討‐2017

    • 著者名/発表者名
      川田往嗣
    • 学会等名
      第35回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会

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公開日: 2021-01-27  

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