研究課題/領域番号 |
17K11368
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
三輪 正人 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (80247650)
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研究分担者 |
中山ハウリー 亜紀 文京学院大学, 保健医療技術学部, 助手 (00599425) [辞退]
大久保 公裕 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (10213654)
飯島 史朗 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (30222798)
村上 亮介 日本医科大学, 医学部, 助教 (60596873)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 鼻粘膜上皮バリア機能 / ドライノーズ / 鼻汁分泌能検査 / 抗原特異的鼻粘膜誘発試験 / 糖鎖解析 / 酸化ストレス / 高張食塩水 / 音楽療法 |
研究実績の概要 |
乾燥症状が花粉症患者でどの程度あるかを検討したところ、鼻の乾燥感ありの患者が66%を占めていた。鼻漏症状との逆相関はなく、鼻乾燥感と鼻汁分泌とは関連性がないことが判明した。ドライアイでも涙液正常分泌型が知られているが、ドライノーズで鼻汁分泌正常型が存在する可能性が示唆された。従来のティッシュを使用する重量法より低侵襲な検査法として、シルマーテストで用いる試験紙を鼻粘膜に用い長さの定量を試みた。その結果、アレルギー性鼻炎群では、有意に増加していたが、鼻乾燥感の有無により検定したところ、アレルギー性鼻炎群、副鼻腔炎群両者とも有意差は得られなかた。鼻乾燥感と鼻腔細菌叢の関連性についても検討した。乾燥感ありの群では、乾燥なしの群に比べて、細菌叢が異なる傾向を示し、また耐性菌の代表株であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、乾燥感ありの群のみ認めている。ドライアイと同様、マイクロバイオームが病態形成に関与している可能性が示唆された。ドライアイの成因として涙の高浸透圧化が提唱されている。高浸透圧溶液のモデルとして高張食塩水の点鼻誘発刺激をスギ花粉鼻誘発による抗原特異的刺激とあわせて実施し、鼻粘膜上皮バリア機能の非侵襲的生理学的検査、粘液繊毛輸送機能検査および鼻水の浸透圧の測定、鼻呼気凝集液の採取後酸化ストレスの指標の測定、鼻粘膜上皮擦過細胞の糖鎖解析をおこない、ドライノーズと鼻粘膜上皮機能障害の関連性が示唆された。 音楽聴取がドライノーズあるいは鼻粘膜上皮機能に及ぼす影響について検討した。聴取前と比較して音楽聴取 後の鼻粘膜上皮水分蒸散量が有意に減少し、鼻粘膜上皮間電位差は上昇傾向を認めた。被験者の自覚症状の変化、鼻粘膜所見と合わせて考察をおこなったが、音楽聴取により鼻粘膜上皮機能の亢進が惹起されたことが示唆された。
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