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2019 年度 実施状況報告書

bFGFの声帯麻痺に伴う筋萎縮予防・筋再生に対する臨床応用へ向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K11378
研究機関東京大学

研究代表者

後藤 多嘉緒  東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (20735930)

研究分担者 上羽 瑠美  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10597131)
二藤 隆春  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60334372) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード声帯麻痺 / bFGF / 筋芽細胞 / 筋衛星細胞 / 筋再生
研究実績の概要

声帯麻痺に対する既存の治療法の限界の一因となっている、声帯筋の萎縮に対する治療法の確立のため、麻痺声帯の筋萎縮に対するbFGFの改善効果を検討した。
ラットの左反回神経を切断し、声帯麻痺モデルを作成した。
麻痺後1か月目にbFGFを単回注入し、Day1, 7, 14, 28において声帯筋の萎縮程度を確認した。bFGFのdoseとして200μg(低用量)および2000μg(高用量)を、またcontrolとして生食を用いた。その結果高用量群ではcontrol群と比較し、Day28で声帯萎縮の有意な改善がみられたが、低用量群では有意な改善を認めなかった。機序の解明のため、筋衛生細胞のマーカーとしてPax7、筋芽細胞のマーカーとしてMyoDの発現をDay1, 3, 7, 14, 28において経時的に解析した。Day1でPax7+筋衛星細胞が増殖し、Day3,7でMyoD+筋芽細胞が増大する様子がみられ、bFGF投与により筋衛生細胞の増殖、分化が生じ、筋萎縮の再生効果がえられたと推定した。免疫染色で確認したPax7, MyoDの発現について、RT-PCRを用いて検証したが、信頼に値するデータが得られなかった。
さらに、声帯麻痺による筋萎縮に対するbFGFの早期投与効果について検討した。声帯麻痺モデル作成一日目にbFGFを注射し、Day1, 7, 14, 28において声帯筋の萎縮程度を確認した。bFGFのdoseとして200μg(低用量)および2000μg(高用量)を、またcontrolとして生食を用いた。Day28において、2000μg投与群では有意に筋萎縮が予防されていた。また、Pax7+筋衛星細胞はday1、そしてMyoD+筋芽細胞はDay7をピークに発現数が多く、それぞれで高用量群とcontrol群の間で有意差を認めた。
現在、bFGFの神経再生の作用についても検証中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

bFGFの麻痺声帯における筋再生効果の機序として、筋衛生細胞、筋芽細胞への影響を確認してきたが、筋衛生細胞、筋芽細胞の増殖は1か月程度で収束し、長期的にも筋再生効果がえられたことの説明として不十分である。別の機序としてbFGFの神経への作用を調べる必要性が生じため、神経筋接合部の増殖を免疫組織学的に解明する追加実験を行うこととしているが、神経筋接合部を示す免疫染色に時間を要している。

今後の研究の推進方策

bFGFの神経への作用を調べるため、神経筋接合部の増殖を免疫組織学的に解明する追加実験を行い、結果を論文投稿する。

次年度使用額が生じた理由

bFGFの麻痺声帯における筋再生効果の機序として、筋衛生細胞、筋芽細胞への影響を確認してきたが、筋衛生細胞、筋芽細胞の増殖は1か月程度で収束し、長期的にも筋再生効果がえられたことの説明として不十分である。別の機序としてbFGFの神経への作用を調べる必要性が生じため、神経筋接合部の増殖を免疫組織学的に解明する追加実験を行うことと、またその結果をまとめ論文投稿するのに延長が必要となった。
免疫染色に関する抗体および論文の英文校正費、論文投稿料、学会発表費として使用する計上する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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