これまでの研究で明らかになった、GGT(γ-glutamyltranspeptidase)活性の高い癌細胞において亢進しているsignal pathwayに関しての研究を進めた。蛍光イメージングで検出可能であったGGT活性の高い手術検体において発現解析を行なった結果、GGT1高発現群において糖脂質代謝に関わる分子が高発現していることが明らかとなった。GGTはグルタチオンの他ロイコトリエンC4が基質となることが知られており、GGTが脂質代謝を解したシグナル伝達に関与している可能性を考え、凍結保存していた手術検体を用いてアラキドン酸由来の脂質の定量を行い代謝経路に違いがあるか分析を試みた。しかしながら症例による違いが大きく、GGTの発現の有無による有意な差を見出せなかった。詳細なシグナル伝達の解析には培養細胞を用いての実験系が必要と考えられた。
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