研究課題/領域番号 |
17K11380
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大和谷 崇 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60334984)
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研究分担者 |
三澤 清 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90334979)
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
遠藤 志織 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (10625205)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | One-carbon metabolism経路 / メチオニン代謝 / S-アデノシルメチオニン / TET / 頭頸部癌 |
研究実績の概要 |
ニュートリエピジェネティクスは、栄養環境が長期にわたり遺伝子発現を介して個体の形質に影響を及ぼす場合に、その背景として考えられる機構の一つである。細胞のエネルギー需要特性は細胞の分化・成熟と共に獲得・喪失すると考えられ、エピジェネティックな制御が推察される。生物個体が置かれた環境(栄養、気候等)や細胞が置かれた環境(酸素供給、炎症等)などの環境刺激がエピゲノムに作用して新たな代謝特性が形成されると考えられている。研究初年度は、頭頸部癌症例における栄養環境変化によるDNAメチル化を含めたエピゲノム制御分子機序としてS-アデノシルメチオニンを主体としたメチオニン代謝経路の状態変化が癌関連遺伝子のDNAメチル化制御に対してどのように作用しているか解析を始めている。One-carbon metabolism経路の、メチオニン代謝経路のであるS-アデノシルメチオニンはDNAメチル化においてメチル基供与体として働く重要な代謝産物である。S-adenosylmethionine-dependent methyltransferaseの阻害剤である3-Deazaneplanocin A (DZNep)を使って頭頸部癌細胞株FaDuを治療した。EZH2の発現は低下し、細胞増殖は抑えられていることを確認した。このことから、頭頸部癌においてもS-adenosylmethionineが、DNAメチル化のメチル基の供給源になっている可能性を示した。また、脱メチル化酵素TETの発現異常が、脱メチル化を阻害しメチル基の蓄積を生じることが最近報告されメチオニン代謝経路との関連が示唆されている。本年度は、脱メチル化酵素TETとメチオニン代謝を解析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りのスケジュールで研究をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
脱メチル化酵素TETとメチオニン代謝を解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
頭頸部癌における脱メチル化解析、EZH2阻害剤による治療効果を確認する研究は順調であるため来年度にメチオニン代謝回路の解析を重点的に行っていく予定であり、予算使用をおこなっていく予定である
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