声帯ポリープ・声帯結節・喉詰め発声などの音声障害の最大リスク因子は習慣的な大声発声であるが、大声発声を呼気努力依存ではなく、喉頭抵抗依存性に行う者が音声障害を発症しやすいと仮定される。本研究では、健常人に母音を発声しながら声を大きくしていくクレシェンド課題を行わせ、その間の音響出力・声帯内転・呼気努力の程度を同時かつ連続的に記録する方法を確立し、健常人の約半数が大声発声時に過剰な声帯内転により音圧レベルの急激な増大を生じることが明らかとなった。将来このような症例に正しい大声発声法を指導することで将来の音声障害発症の予防、、声の衛生に関する知識の啓蒙、および医療費の減少に繋がる可能性がある。
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