研究実績の概要 |
先行研究として、大阪大学および大阪国際がんセンターにおいて1st lineとしてプラチナベースの全身化学療法を行った再発・転移頭頸部扁平上皮癌(R/M HNSCC)で化学療法施行前60日以内にFDG-PETが施行された104例を対象として後ろ向きに研究を行った(training set)。 対象の患者背景は年齢中央値63歳、男女 比84:20、原発巣は口腔19、中咽頭22、喉頭14、下咽頭44、鼻副鼻腔5であった。化学療法施行前のFDG-PETのDICOMデータ をPETSTAT ver.2.2を用い、SUV=2.5を カットオフとして全身の再発・転移巣の腫瘍代謝体積(total MTV)を算出した。overall survivalおよびprogressionfree survivalをエンドポイントとしてCox 比例ハザードモデルを用いた単変量解析を行ったところ、total MTVがいずれにおいても有意な予後因子であることが 証明された(Hazard Ratio=1.03, 1.02、 p<0.0001, <0.01)。 validation setとして“再発・転移頭頸部扁平上皮癌における PFE療法と TPEx療法の有効性を比較する第II相多施設共同臨床試験”に登録予定の症例を、臨床試験の付随研究として前向きに検証する予定である。この多施設共同臨床試験は2020/7月より症例登録を終了予定であり、以後FDG-PETデータの解析を開始する予定である。
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