• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

舌癌に対する制御性T細胞除去療法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K11385
研究機関熊本大学

研究代表者

折田 頼尚  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90362970)

研究分担者 三木 健太郎  岡山大学, 大学病院, 助教 (20747448) [辞退]
佐藤 康晴  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (00579831)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード制御性T細胞 / 舌癌 / マウス / ジフテリアトキシン
研究実績の概要

制御性T細胞regulatory T cell (Treg)は胸腺および抗原に暴露した末梢で産生されeffector T cellの抗腫瘍作用を抑制します。近年分子標的治療薬セツキシマブが頭頸部癌領域で使用されるようになりましたが、セツキシマブ投与によって血中・組織中のTregが増加し、その後に投与される免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブの効果が減弱する可能性があることがわかり、当領域におけるTregへの関心は高まっています。我々はこれまでに4-nitroquinoline-1-oxide (4NQO)誘発性舌癌モデルマウスを用いた研究の中で、Tregは前癌病変~初期癌において最大量となり癌の進行とともに減少することをつきとめました。今回の実験は、ジフテリアトキシン誘導性にTregを排除することが可能なDEREG(Depletion of regulatory T cell)マウス(Foxp3陽性制御性T細胞特異的ジフテリアトキシンレセプタートランスジェニックマウス)に同様の手法で発癌させ、癌治療におけるTreg排除の有効性とタイミングを検討するのが目的です。4NQO投与開始から15-20週でsevere dysplasiaが、25週目には100%のマウスにおいて扁平上皮癌が発症することが以前の実験で判明していますが、今回、以前用いた野性型マウスの代わりにDEREGマウスを用いても同様の経過をたどり舌癌が発症することがわかりました。さらに、15週目でジフテリアトキシンを投与しTregを排除したところ、25週目になっても舌癌が発症しないという驚くべき結果が得られました。DEREGマウスの繁殖がなかなか進まないため、まだ15週目でのTreg排除しか試していない状況ですが、引き続き20週や、もう癌が発症した後の25週目でも同様にTregを排除しその効果を検討していく予定です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

DEREGマウスは高価であるために、当初2ペアしか購入できませんでした。そこから繁殖させ必要個体数を確保する予定でしたが、産まれてくる個体がDEREGマウスである確率が必ずしも高くなく、また、代を重ねるにつれ繁殖力が著しく衰え、必要個体数確保に難渋している状態です。近々新たなDEREGマウスを購入し、繁殖力を回復させる予定です。

今後の研究の推進方策

近々新たなDEREGマウスを購入し、繁殖力を回復させる予定です。個体数確保後にさらなる検討を進め、舌癌発生過程におけるTreg排除の至適時期を検討する予定です。結果がクリアに出る様であれば、例えば前癌病変の段階で舌癌を予防することが可能となる可能性があり、癌予防医学、治療費削減、等につながっていくと考えられます。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗状況が当初の予想より遅れており、そのため、次年度使用額が生じました。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Computed tomography findings for diagnosing follicular thyroid neoplasms.2018

    • 著者名/発表者名
      (101)Makino T, Orita Y, Tachibana T, Marunaka H, Miki K, Akisada N, Akagi Y, Usui Y, Sato Y, Yoshino T, Nishizaki K.
    • 雑誌名

      Acta Med Okayama

      巻: 72 ページ: 577-581

    • DOI

      10.18926/AMO/56375.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neck metastasis in patients with T1-2 supraglottic cancer.2018

    • 著者名/発表者名
      (96)Tachibana T, Orita Y, Marunaka H, Makihara S, Hirai M, Gion Y, Ikegami K, Miki K, Makino T, Noyama Y, Komatsubara Y, Kimura M, Yoshino T, Nishizaki K, Sato Y.
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 45 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1016/j.anl.2017.06.002.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Laryngeal squamous cell papilloma is highly associated with human papillomavirus.2018

    • 著者名/発表者名
      (98)Orita Y, Gion Y, Tachibana T, Ikegami K, Marunaka H, Makihara S, Yamashita Y, Miki K, Makino T, Akisada N, Akagi Y, Kimura M, Yoshino T, Nishizaki K, Sato Y.
    • 雑誌名

      Jpn J Clin Oncol

      巻: 48 ページ: 350-355

    • DOI

      10.1093/jjco/hyy009.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi