研究課題
本研究は,HPV関連頭頸部癌の診断及び予後のリスク分類に寄与することを目標とし、臨床病期分類やde-escalation試験における症例選択,HPV関連癌の新規治療法開発につなげるものである。以下の結果を得た。研究1:HPV関連頭頸部がん診断の再検討 喉頭癌、中咽頭癌におけるp16染色、HPV DNA、HPV DNA & RNA in situ hybridization法と予後、臨床的特徴を検討した結果、HPV関連癌はp16陽性、HPV DNA検出の両者が必要であることを報告した。さらにp16陽性、HPV DNA陽性例では遺伝子の一部のみ組み込まれていることがあり、通常のPCRでは検出できず特異的プライマーの組み合わせが必要なことを報告した。また特異的プライマー配列や有効性について報告した。研究2:HPV関連頭頸部癌の予後不良例と良好例の解析 HPV関連癌は、予後良好、再発した場合でも再発から死亡までの期間が長いことを報告した。また予後不良因子として、current smoker、飲酒癖、高齢発症を報告した。研究3:HPV関連頭頸部癌予後不良例におけるバイオマーカー検索 IGF1-R、HIF1-α高発現している場合予後不良になることを報告した。またHPV関連癌ではmTOR経路が活性化されており、RictorやRaptorがmTOR活性化と関係していることがわかった。さらにmTOR inhibitorのテムシロリムスがHPV関連癌のアポトーシスを亢進させ、治療へ応用できる可能性を報告した。研究4:進行中咽頭癌におけるHPV感染に基づく計画的頸部郭清術に関する前向き試験 引き続き臨床症例の登録を継続し経過観察中である。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Infectious Agents and Cancer
巻: 14 ページ: -
10.1186/s13027-019-0224-y
Eur Arch Otorhinolaryngol
巻: 276 ページ: 827-836
10.1007/s00405-018-05263-x
Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho
巻: 122 ページ: 1490~1496
10.3950/jibiinkoka.122.1490
Practica Oto-Rhino-Laryngologica
巻: 112 ページ: 633~639
10.5631/jibirin.112.633
巻: 122 ページ: 862~867
10.3950/jibiinkoka.122.862
頭頸部癌
巻: 45 ページ: 397-402