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2021 年度 実施状況報告書

扁桃陰窩細菌叢の群集解析による、扁桃炎反復・重症化の多細菌性発症モデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K11400
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

平岡 政信  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423945)

研究分担者 杉田 玄  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20407274)
河野 正充  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20511570)
保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
研究期間 (年度) 2021-01-01 – 2023-03-31
キーワード扁桃周囲膿瘍 / 扁桃炎 / microbiota / microbiome
研究実績の概要

アメリカ留学にて行った、菌叢解析に対するdry methodの日本への移入を行いながら、wet methodの立ち上げとして、実験環境の整備をおこなった。
dryの実際としては、PCでの遺伝子配列解析や汎用データベース照合のために、プログラムの導入、ハードウェアの調整、留学先のデータセンターとの連絡調整などをオンラインも用いておこなった。
qiime2プロトコルは以下となる。UCSD MicrobiomeCoreでの検体処理として、QiitaへFASTQファイルをインポートし96wellデータより必要なサンプルのみをsplitする。次に150bpへのtrimming, デフォルト設定でのdeblurを経てBIOMファイルを作成する。次にこれらを初期データとして、ubuntu上でQiime2が稼働するVirtual machine(ウィンドウズ10上)にてjupyter notebookを用いて、スクリプトを実行する。データはEBI-ENAに登録、後悔することを前提としたフォーマットの確認を行う。
データベースの選定としては、ggあるいは、SILVAをターゲットとして、過去のサンガーデータと比較しながら、矛盾の無いパラメータ設定を行う。特に巨大データベース処理においてはマシンのメモリ増設が必要であったため、適宜調整を行った。
また、論文作成における図表の作成においても、pythonスクリプトによる描出を、各フォーラムでの質疑、チュートリアルを参考に行った。
wetの実際としては、選択培地に用いる抗菌薬の購入調整、DNA実験用の各種プライマー合成や、Detroit562などの上皮細胞培養のためのウェルの選定、培養条件の調整などをおこない、新年度の実験再開にむけ準備した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

留学から帰国し、臨床業務に圧迫され、相対的に研究にさくエフォートが縮小したこと、留学先の実験環境の移植を行うために、立ち上げに時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

新年度より、計画を加速させ、扁桃菌叢解析に基づいた臨床研究を推進する。
本研究では、急性扁桃炎、反復性(重症)扁桃炎患者の陰窩swabに対し細菌培養検査、16SrDNAに基づく菌叢解析を行い、扁桃炎発症の多細菌性発病モデルを検証する。
本年度内に、扁桃陰窩swabを用いた扁桃陰窩細菌叢の把握、急性扁桃炎および反復性(重症)扁桃炎患者の扁桃陰窩細菌叢を把握する。さらに、microbiome analysisおよび代謝経路解析等にて、反復化機序の検討を行う。pathogenおよびsupporterの半定量とcompetitorの定着、GAS細胞内寄生と扁桃炎反復化機構等を動物モデル等で評価し、扁桃炎発症の多細菌性発病モデルに対して新たな知見をもたらすとともに、陰窩洗浄などの抗biofilm治療やprobioticsの扁桃炎予防効果のエビデンスを供す。

菌叢解析では、歯周病原菌Red Complexが扁桃陰窩細菌叢で多く検出される。一方pathogenである化膿レンサ球菌(GAS)は消炎状態の陰窩で検出されることは少ない。今回我々は、Red Complexがsupporterとして陰窩に慢性炎症状態を作りだし、宿主粘膜上皮に細胞内寄生した化膿レンサ球菌(GAS)などのpathogenの増殖、組織内侵入を促し発病するという多細菌性発症モデルを想定する。さらに二者を抑制するcompetitorとして乳酸菌に注目し、代謝経路解析等を用いて、扁桃炎反復を予防する因子の可能性についても検討を加える。

次年度使用額が生じた理由

留学帰国後にて実験再開に時間がかかったため。今年度は、研究計画に基づいて、細胞実験、臨床研究をすすめ、研究の総仕上げを行う。

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公開日: 2022-12-28  

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