研究課題/領域番号 |
17K11408
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
唐帆 健浩 杏林大学, 医学部, 准教授 (90508293)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 嚥下機能検査 / 高解像嚥下圧検査 / 嚥下内視鏡検査 / 嚥下造影検査 |
研究実績の概要 |
国内学会や国際学会に参加して,嚥下圧の積算方法やタイミングの計測方法に関する情報を収集し,咽頭期の嚥下圧テー タ収集に最適のサンプリング周波数が100Hz以上であることを確認し,嚥下圧計測器のサンプリング周波数を100Hzに調整した上で,平成30年度に嚥下内視鏡・圧検査(HRM)を38件実施した.29年度に実施した件数を合わせて,当初予定した20例以上の被検者を確保できた.そこで得られた画像情報、時間情報、圧情報から、評価項目の選定を行った。HRMにて記録されたデジタルデータ(圧情報、時間情報)からは、咽頭内圧(軟口蓋部・舌根部・下咽頭部の最大嚥下圧、嚥下圧の時間幅、 最大嚥下圧の伝搬速度)、食道入口内圧(安静時静止圧値と、弛緩時間および高圧帯の幅)、食道内圧(最大嚥下圧、嚥下圧の時間幅、最大嚥下圧の伝搬速度) を計測した.さらに嚥下圧値の積算により,食塊駆出力も算出して,嚥下機能の指標に加えた. 一方,同一対象に実施した嚥下造影検査結果を,Modified Barium Swallow Impairment Tool(MBSImp)に従ってスコア化し,上記HRMのデータと対比を行い,現在統計学的検討を開始している.さらに,嚥下造影検査所見から,penetration-aspiration scale、喉頭挙上時間、X側面像における舌骨・喉頭の位置(安静時の喉頭位)、喉頭挙上距離、食道入口部開大前後径、喉頭挙上遅延時間を算出し,これらに関してもHRMのデータと対比を行なっている.これらの成果を2019年秋に開催されるヨーロッパ嚥下医学会での発表を予定しており,また英文誌投稿を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者を,健常ボランティアだけでなく,嚥下障害を疑われて当院で嚥下造影検査を施行したものの障害を認めなかった患者の中で,嚥下内視鏡・圧検査実施の同意を得られた方を加えることで,当初予定した50名の被検者を確保できた.
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今後の研究の推進方策 |
得られた嚥下内視鏡・圧検査のデータと,スコア化した嚥下造影検査所見を対比させて,統計学的検討を行い,またROC解析でcut-off値を算出していく.これらの成果を2019年秋に開催されるヨーロッパ嚥下医学会での発表を予定しており,また英文誌投稿を予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年秋にウィーンで開催されるヨーロッパ嚥下医学会で研究成果の発表を予定しており,かつ,英文誌への投稿を予定しているいるため,その費用を考慮して使用額を調整した.当初,データの入力作業のために人件費を確保していたが,煩雑な入力操作が必要なため,すべて研究代表者自身で入力した.
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