研究課題/領域番号 |
17K11414
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
今井 隆之 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 特任研究員 (80408583)
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研究分担者 |
望月 麻衣 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究技師 (40726303)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CD271 / 細胞増殖 / CDKN1C |
研究実績の概要 |
申請者らは最近、神経成長因子受容体であるCD271が下咽頭がんにおける造腫瘍能マーカーであり、細胞周期の制御因子であるCDKN1Cの発現制御によって下咽頭がん細胞の増殖を制御していることを報告した。このことから、CD271及びCD271-CDKN1Cシグナル経路は有望な治療標的であることを見出した。しかしながら、未だCD271によるCDKN1Cの制御メカニズムについては報告されていない。本申請課題では、CD271及びCD271-CDKN1Cシグナル経路を標的とした治療法の確立を目指す。具体的には、(1)下咽頭がん細胞の増殖を抑制するCD271阻害抗体の作成、(2)CD271-CDKN1Cシグナル制御因子・制御経路の探索を行い、更に、(3)CD271抗体を用いたADCCアッセイと(4)CD271-CDKN1C経路阻害化合物の探索を行い、CD271およびその下流経路を標的とした治療法の検討をすることを計画している。 29年度においては、計画(1)にあるCD271抗体を産生するハイブリドーマを、昆虫細胞(バキュロウイルス)を用いて、CD271細胞外ドメインタンパクを発現・精製し、抗原とすることによって樹立した。さらに、マウスを用いた大量生産に着手した。得られた抗体については、申請者らが独自に樹立した下咽頭がん細胞株を用いた細胞増殖阻害試験及び、in vitroでのADCC活性の評価に着手している。また、計画(2)においてCD271の変異体を用いたCDKN1Cの発現変動については、恒常的CD271強制発現株に加えて、tetonによる発現系を樹立し、CD271発現変動によるCDKN1Cの増減を検証した。また、Trkレセプターのノックダウン株についても樹立を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD271抗体を産生するハイブリドーマは複数樹立できており、CD271変異体発現細胞についてもteton発現系を含めて検証を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り進行する
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)マウスを用いたin vivoの条件検討に時間を要するため。また、抗体を用いたアッセイのバリエーションを増やすため。 (使用計画)マウス購入、抗体精製等に要する試薬の購入
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