研究課題/領域番号 |
17K11416
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
目時 友美 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00400169)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 緑内障 / 線維柱帯切除手術 / 濾過胞 / トレハロース / 線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は特定臨床研究を含むため、弘前大学臨床研究審査委員会による審査と厚生労働省による認可を得る必要があるため、前年度(2018年度)はその認可を得るために費やされた。本格的な臨床研究として研究を開始できるようになったのが本年度(2019年度)である。50歳以上で開放隅角緑内障に対する初回の線維柱帯切除手術を施行する症例について、本人への十分な説明と同意のもとに、研究を始めた。実薬群は5%トレハロース点眼であり、プラセボとして生理食塩水として、両者を本学薬剤部にて無菌的に調整した。投与は二重盲検法を用い、研究主任が割り振りを決定した。点眼は手術翌日から手術眼にのみ手術翌日から1日4回の点眼を開始した。同時に手術後にルーチンに点眼する点眼薬は予定通り点眼を続けた。実薬およびプラセボは術後30日間点眼を継続した。術後の濾過胞の内腔を定量的に解析するため、術後1か月、2か月、3か月および6か月後に前眼部光干渉断層計による芽層解析を施行した。現在の時点で、予定症例12名のところ8例(実薬群4例、偽薬群4例)となっている。 基礎実験では培養ヒト線維芽細胞増殖に対するトレハロースの増殖抑制作用は5%ないし10%にて最も顕著でありことが確認されていたので、浸透圧からみて5%トレハロースが生理食塩水と等調であることが知られていたことから、実薬として5%トレハロースを蒸留水にて溶解したものを用いた。プラセボとして生理食塩水とした。現在、研究期間を1年延長して最終目標である12例までの手術を施行できるよう計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度に本学大学院医学研究科研究倫理審査委員会にて承認されたが、時期を同じくして臨床研究法が施行され、本研究は特定臨床研究に該当することとり、改めて臨床研究審査委員会での承認を得ることが必要となった。このため、第2年度は本学に臨床研究倫理委員会が設置されるのを待った上での申請となったため、実際に研究を開始するまで2年間を要した。その結果、実際に研究を開始できたのが第3年度となり、現在研究期間を延長して研究を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
研究年度を1年延長したので、第4年度末までに研究を終了できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床研究法施行などによる研究計画の遅れがあり、当初予定の3年の研究期間を延長することとしたため、剰余予算を延長させた次年度に執行する計画とした。
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