線維柱帯切除術は緑内障に対する代表的な濾過手術であり、濾過胞形成により眼圧下降を可能とする。術後に濾過胞が長期間形成されることが手術の成否を左右する。本研究では手術後にトレハロースを点眼することにより術後の線維化や瘢痕形成を抑制して、手術成績を改善させうるか否かを検証することを目的として、当該手術患者12例を対象として6例にトレハロース、6例に偽薬を30日間点眼させ、術後6か月間の濾過胞形成能と眼圧下降度を無作為前向き比較対照試験として実施した。その結果、トレハロース点眼群は術後の濾過胞形成能および眼圧下降度の両者に関して、対照群と比較して有意な差異は見いだすことはできなかった。
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