研究課題/領域番号 |
17K11422
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
生杉 謙吾 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10335135)
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研究分担者 |
近藤 峰生 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80303642)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 臨床視覚電気生理 |
研究実績の概要 |
平成29年度に続き、2年目となる平成30年度も同様に、緑内障を代表疾患とする網膜内層機能障害症例および正常症例の蓄積は順調に進んでいる。 皮膚電極網膜電図装置レチバルを用い、無散瞳PhNR測定モードにて記録を行ない、対象眼のPhNRに関する各パラメータについて検討をおこなっている。 基本的な眼科検査測定データである、平均等価球面度数、有/偽水晶体眼、ハンフリー視野のMD値、OCTの網膜内層厚、瞳孔面積のリアルタイムの結果等を表計算ソフトに入力し、解析を行う準備を進めている。現在までの中間解析の一部の結果では、最も相関が高かったパラメータはレチバルのW ratioとOCTのRNFLTとみられる。それに続いて、比較的高い相関がみられたのは、Pmin amp. とRNFLT、P72 amp.とRNFLT、W ratioとGCC、W ratioとvertical C/Dのようである。一方で、Pmin implicit t.とOCTパラメータとの間に有意な相関は見られないようである。黄斑局所のOCTパラメータと全視野ERGの結果に相関がみられたことは、興味深いが、緑内障の病的変化は黄斑周囲から発症することが多く、また神経節細胞は、特に黄斑部に密集するという過去の報告から、黄斑の局所変化(GCC厚)を全視野ERGであるレチバル・PhNRパラメータにてある程度捉えることができているのではないかと推測される。その他にも、興味深い知見をいくつか、収集しつつあり、来年度も症例を集積しエビデンスレベルをを高めてゆく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象症例の蓄積は、順調に進んでおり、研究の進歩状況に特段の問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度も、平成30年度に引き続き、対象症例の蓄積を進める予定であり、 研究最終年度となる31年度は、国際雑誌への投稿、論文化を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での学会発表をおこなうための旅費や論文および学会抄録作成費の使用額に変更が生じたこと、渡航費用には利用可能な他の研究費を用いたことなどから使用額に変更が生じ、次年度使用額が生じた。 次年度も引き続き、臨床検査や成果発表のための学会参加、論文化による投稿料や英文添削料などを必要とすることから、差額はその費用として使用する。
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