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2019 年度 実績報告書

口腔内細菌による眼底出血誘発の可能性とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 17K11424
研究機関島根大学

研究代表者

原 克典  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00609323)

研究分担者 大平 明弘  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 客員教授 (00169054)
臼田 春樹  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30707667)
和田 孝一郎  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード口腔内細菌 / 眼底出血 / 糖尿病網膜症
研究実績の概要

これまで,様々な要因により眼底出血が生じた患者から唾液を採取し,PCR法で唾液中にStreptococcus mutans(S.m),歯周病菌(P.g)を認めるかどうか判定した。結果,S.mのうち出血性の全身疾患に関わるcnm遺伝子を有するもの(cnm)やP.gのうち特に病原性が強いとされるfimⅡ型の線毛を有するもの(fimⅡ)は,糖尿病網膜症により網膜に出血性病変をきたした患者で多い傾向であった。本年度は,より詳細にS.m,P.gといった口腔内細菌,そのうち特にcnm陽性,fimⅡ陽性者と糖尿病網膜症発症および進行との関連について調査を行った。3つの病期の糖尿病患者(A:網膜症なし群18名,B:単純網膜症・増殖前網膜症群21名,C:増殖網膜症群24名)と糖尿病に罹患していないコントロール(N:白内障患者群18名),について唾液採取後,PCR法でS.m,P.gを認めるかどうか判定し,更にcnm遺伝子を有するもの(cnm)とP.gのうちfimⅡ型の線毛を有するもの(fimⅡ)であるかどうかも同時に判定した。
S.m,cnm, P.g, fimⅡが陽性となった人数は,A群でそれぞれ14,3,9,1,B群で19,5,9,0,C群で16,3,10,0,N群で15,5,9,0であった。S.mおよびP.g陽性であったものは全ての群間で差はなかった。cnm陽性,fimⅡ陽性者についても全ての群間で差を認めなかった。
今年度の我々の研究では,糖尿病患者において,糖尿病網膜症の進展(出血性病変)に特定の口腔内細菌が関与している可能性を検証したが,Streptococcus mutansおよびそのcnm遺伝子,歯周病菌およびfimⅡ型線毛を有するものの明らかな関与は認めなかった。結果として特定の口腔内細菌が眼底出血病異変に関与する可能性を確認できなかった。

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公開日: 2021-01-27  

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