研究実績の概要 |
1.アドレノメデュリンがラット虚血性視神経症の視機能改善に有効であるか ラット虚血性視神経症(rNAION)を作成した。介入操作として、まずローズベンガル(Rose Bengal, RB)液(2.5mM, 1ml/kg)をラットの尾静脈より静注し、その後左眼のみに視神経乳頭に514nmアルゴングリーンレーザーを12秒間照射した。レーザーを左眼に照射したため、モデルラットの右眼はRBのみ投与された眼(以下RB眼)で、左眼がRBにレーザーが照射された眼(以下RB+レーザー照射眼)となる。コントロールラットの方は、RBを静注せず、レーザーを左眼のみに照射した。従って、右眼は何も介入していない眼(以下正常眼)で、左眼がレーザーのみ照射された眼(以下レーザー眼)となる。これらの眼について、NAIONと一致性をみるために、視神経乳頭の検眼鏡的変化、蛍光眼底造影検査、視神経乳頭内の微小血管の観察、病理組織検査、電気生理学的検査を行った。特に、電気生理学的検査はVEP、ERGに加え、網膜神経節細胞の機能を評価できるERGのscotopic threshold response (STR)コンポーネントを用いた。 2.アドレノメデュリンの白色家兎単離短後毛様動脈に対する作用とその機序 虚血性視神経症の責任血管であるとされる、白色家兎の単離短後毛様動脈に対するアドレノメデュリンの作用を、ミオグラフを用いて薬理学的に検討した。高カリウム液や、アドレナリン投与により収縮させた単離短後毛様動脈にアドレノメデュリンを投与し、血管弛緩作用および、濃度依存性があるかどうか、その持続時間を検討した。アドレノメデュリンは単離短後毛様動脈を弛緩させた。アドレノメデュリン濃度を変化させたときの血管弛緩作用から、アドレノメデュリンは濃度依存的に血管を弛緩させることが分かった(n=9)。
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