研究課題
2019年度は、以下の研究成果が得られた。1. これまでにGUCA1A遺伝子変異に関連した日本人常染色体優性錐体ジスロトフィ(COD)の報告はない。遺伝性網膜疾患と診断され全エクソーム解析が施行された1192家系を検討し、3家系に3種類の変異(p.Y99N, p.Y99S, p.L151F)がみつかり、p.Y99Nとp.Y99Sは新規変異であった。変異を有する9例において、若年発症の進行性黄斑萎縮を認めた。全視野網膜電図では錐体応答は全例において著しい振幅減弱もしくは消失を認めた一方、杆体応答は若年者で温存される傾向にあったが、一部の高齢者では反応が消失していた。本研究は、GUCA1A関連CODの表現型と遺伝子型の相関を明らかにした。2. 過去にRDH5遺伝子変異による白点状眼底に対して、マルチモーダルイメージング及び網膜電図を多数例で評価した報告はない。22家系25例について、RDH5変異および臨床像について検討した。新規変異(p.Q87X)を含め計8種類の変異(p.G35S、p.G107R、p.R167H、p.A240GfsX19、p.R278X、p.R280H、p.L310delinsEV)が全例で両アレル変異が検出され、p.L310delinsEVが高頻度(30/46アレル, 65.2%)にみられた。視力は44眼(88%)で矯正視力0.8以上であった。一方、OCTによる黄斑部異常は12例24眼でみられ、10例(83.8%)が0.8以上であった。黄斑部異常を認めた症例の平均年齢(58.6 ±11.1歳)は、それを認めない症例の平均年齢(29.3 ± 19.4歳)より有意に高かった。網膜電図を施行した23眼中17眼(73.9%)で錐体応答低下が観察された。RDH5関連白点状眼底は、進行性に黄斑部異常や錐体応答低下をきたす可能性があることが示唆された。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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