• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

未熟児網膜症に対する新しい非侵襲的眼血流解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K11435
研究機関東邦大学

研究代表者

松本 直  東邦大学, 医学部, 准教授 (60385888)

研究分担者 柴 友明  東邦大学, 医学部, 准教授 (40408810)
堀 裕一  東邦大学, 医学部, 教授 (70379171)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード未熟児網膜症 / 眼血流 / レーザースペックルフローグラフィー / OIR / ROPラットモデル
研究実績の概要

未熟児網膜症(ROP)は重症時には血管の拡張、蛇行をきたすことより、その病態には眼循環の変化が関係していると考えられる。ROPの経時的な眼血流測定および、解析に対しレーザースペックルフローグラフィー(LSFG)を用いることにより、病状や治療効果の把握が定量的に可能となると思われる。本研究では、当科にて開発した新生児用LSFGを用いて未熟児の眼血流を測定し、ROPの病態や治療効果に関して眼循環の観点から検討するとともに、ROPラットモデル(OIR)の眼血流測定を行い、ROPの状態変化や薬物投与による血流動態変化を検討する。現在までに、ROPを認めない正常新生児の視神経乳頭における血流値が修正週数に相関することも報告している。今年度は、ROPが重症化した場合の血流変化について検討を行った。新生児5例8眼の重症ROPに対する、網膜光凝固前後の眼血流変化について検討を行った。全例で治療後1ヶ月以内に眼血流は低下し、低下率は重症度(光凝固数、新生血管範囲)と負の相関を示した。また、ROP治療後の視神経乳頭の血流値はROPを認めない新生児の血流と有意差を認めなかった。このことより、治療が必要である重症ROPにおいては、眼血流が増加していることが示唆された。また、ROPラットモデルにおける研究では、網膜症発症ラットの方が眼血流が有意に高値であり、その血流値が網膜VEGFレベルと相関することを見出した。このことはラットモデルにおいてもROP重症時は眼血流が増加していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

未熟児網膜症の眼血流測定が、治療前後で問題なく行えている。ラットモデルにおいても実験系が確立し、さらなる実験が予定されている。

今後の研究の推進方策

今後、ROPにおける抗VEGF硝子体内注射前後での眼血流の変化を検討していく。また、ROPstage別の眼血流の変化についても検討を行う予定である。
ROPラットモデルにおいても、抗VEGF硝子体内注射による眼血流の変化を検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:未熟児網膜症モデルラットに使用する、抗VEGF薬に在庫がなく、次年度使用分は一括購入できなかった。
使用計画:次年度に抗VEGF薬を購入し実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Decreased ocular blood flow after photocoagulation therapy in neonatal retinopathy of prematurity2017

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Tadashi、Itokawa Takashi、Shiba Tomoaki、Tomita Masahiko、Hine Kotaro、Mizukaki Norio、Yoda Hitoshi、Hori Yuichi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Ophthalmology

      巻: 61 ページ: 484~493

    • DOI

      10.1007/s10384-017-0536-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Retinal VEGF levels correlate with ocular circulation measured by a laser speckle-micro system in an oxygen-induced retinopathy rat model2017

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Tadashi、Saito Yuta、Itokawa Takashi、Shiba Tomoaki、Oba Mari S.、Takahashi Haruo、Hori Yuichi
    • 雑誌名

      Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology

      巻: 255 ページ: 1981~1990

    • DOI

      10.1007/s00417-017-3756-0

    • 査読あり
  • [学会発表] LSFG-Micro を用いた、未熟児網膜症モデルラットの眼血流と網膜VEGF 濃度は相関する2017

    • 著者名/発表者名
      松本直、斉藤雄太、糸川貴之、富田匡彦、柴友明、高橋春男、堀裕一
    • 学会等名
      第121 回日本眼科学会総会
  • [学会発表] LSFGを用い眼血流経過が観察できた、IVB、光凝固併用療法を行った未熟児網膜症の1例2017

    • 著者名/発表者名
      松本 直,糸川貴之,柴 友明,富田匡彦,玉置一智,平林将明,堀 裕一
    • 学会等名
      第42回日本小児眼科学会
  • [学会発表] Ocular blood flow values measured by laser speckle flowgraphy correlated with the postmenstrual age of normal neonates.2017

    • 著者名/発表者名
      松本 直
    • 学会等名
      第42回日本小児眼科学会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi