研究課題/領域番号 |
17K11440
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
日下 俊次 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (60260387)
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研究分担者 |
國吉 一樹 近畿大学, 医学部, 講師 (30234470)
杉岡 孝二 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (50399119)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 未熟児網膜症 / 血管内皮増殖因子 / VEGF / サイトカイン |
研究実績の概要 |
未熟児網膜症は小児失明原因の第一位を占める重要な疾患である。これまで網膜光凝固による治療が標準的治療法として行われてきたが、重症未熟児網膜症では適応外使用であるが抗血管内皮細胞増殖因子(抗VEGF)薬であるbevacizumab を硝子体内投与する抗VEGF 治療が注目されている。しかし、bevacizumab 投与により血清VEGF 濃度が長期間低下することが報告され、全身的な影響が懸念されている。我々は成人例での解析結果から血清VEGF 濃度抑制効果がbevacizumab より弱いと報告されているranibizumab を未熟児網膜症治療に用いてきた。今年度はranibizumab投与による治療症例を集積すること、短期的な治療経過の現在までのデータの解析を進めた。その結果、これまでにranibizumab硝子体内投与を行った27眼で治療効果は全例でみられたが、7眼(25.9%)で治療後平均7.3週に病状の再燃がみられた。以前にbevacizumabで治療を行った37眼では治療効果はやはり全例でみられ、4眼(10.8%)で平均6.1週に再燃がみられたのに比し、ranibizumabによる治療では再発率がやや高い傾向がみられた。なお、病状の改善、再燃は後極部血管の拡張・怒張の改善、悪化で判定した。今後、さらに症例の集積を進め、患児から採取した血清のサンプルを用いたデータ解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗VEGF治療の適応となる重症未熟児網膜症例が今年度はやや少なかったため。従来から未熟児網膜症の紹介にはばらつきがあるので、2年目、3年目では遅れを取り返せるのではないかと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き、重症未熟児網膜症に対する抗VEGF治療としてranibizumab投与を続ける予定である。これまでは投与量を0.25mgとしていたが、今後は研究計画に従い投与量を0.1mg に変更して、治療効果、再燃する症例の割合を検討した。3年目にサイトカインの解析作業を一気に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はルセンティス投与対象の症例が少なかったため次年度使用額が生じることとなった、次年度以降でルセンティス購入に使用する。
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