研究課題
本年度は(平成29年度)は、TGFBI関連角膜ジストロフィー患者の手術検体から、角膜実質細胞を培養し、in vitroでの遺伝子編集効果を検討した。TGFBI遺伝子の変異部位を標的としたguide RNA(gRNA)およびSpCas9-2A-GFP発現プラスミドと、切断部位に組み込む相同組み替えの為のDNA修復テンプレートssDNAを設計し、それらを変異培養細胞にリポフェクション法で共遺伝子導入した。導入後、GFP陽性細胞をFluorescein activated cell sorting (FACS)を用いて遺伝子導入されたと考えられる細胞を回収を行い、回収した細胞のシングルクローンさらに培養し、細胞を増やした後、DNAを抽出し、PCRでゲノムを増幅した。PCR産物を制限酵素処理し、電気泳動(restriction fragment length polymorphism (RFL)Pアッセイ)し、またPCR産物はシークエンスを行ったところ、変異の修正が確認され、編集効率は30%前後であった。CRISPR-Cas9システムでは、本来期待していない部位に挿入欠損変異が生じる、いわゆるオフターゲット作用の可能性もあるため、T7 endonuclease Iを用いたアッセイも行った。RFLPアッセイやシークエンスの時と同様、gRNAおよびSpCas9-2A-GFP発現プラスミドとDNA修復テンプレートssDNAを変異培養細胞にリポフェクション法で共遺伝子導入し、FACSで細胞を回収後、T7 Endonclease Iで処理し、これを電気泳動によって検出、ならびにシークエンスを行ったところ、オフターゲットは認めなかった。現在2018年度予定の動物モデルでの検討に着手している。
2: おおむね順調に進展している
2017年度はin vitroの解析を行い、論文まで作成できたこと。また動物モデルの作成に着手できていること
予定通り2018年度は動物モデルを用いた解析を続ける。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Scientific Report
巻: 7 ページ: 167113
10.1038/s41598-017-16308-2