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2019 年度 実績報告書

CRISPR-Cas9システムを用いた遺伝性角膜疾患に対する画期的根治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11446
研究機関東京大学

研究代表者

臼井 智彦  東京大学, 医学部附属病院, 届出診療員 (80282557)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード角膜ジストロフィ / 遺伝子編集
研究実績の概要

令和元年度では、まず昨年度に作製したCRISPR/Cas9でTGFBI遺伝子のR124C変異を生じたマウス(R124Cマウス)における角膜混濁について再確認を行った。ヒトTGFBI角膜ジストロフィにおいては、homozygousではより早期に強い角膜混濁を生じることが知られているが、R124Cマウスにおいても生後40週で80%のhomozygousマウスに角膜混濁が生じ、heterozygousマウスでは9.1%に角膜混濁が生じていた。角膜混濁部位では、TGFBIタンパク(TGFBIp)の沈着が亢進しており、TGFBI遺伝子の発現増加ではなく、TGFBIpの分解阻害によるものと考えられた。昨年度の結果と踏まえこれらのデータをまとめ論文を投稿し、受理された(Kitamoto K et al. Sci Rep 10, 2000, 2020)。
次にR124Cマウスを用い、CRISPR/Cas9を用いたTGFBI角膜ジストロフィに対する遺伝子治療について検討を開始した。まずはGFPマウスに対して、GFP遺伝子をターゲットとしたCRISPR/Cas9システムを発現するレンチウイルスベクターを作製した。まず本ウイルスベクターをGFP発現HEK293細胞株を用いてin vitroで確認を行った。すると、遺伝子導入をした細胞ではGFPによる蛍光強度は減弱した。次にGFPマウスの角膜に本ウイルスベクターを導入し、1週間後に眼球を摘出し、角膜を観察したところ、コントロールと比較して、角膜上皮と実質においてGFPによる蛍光の減弱が認められた。次年度からはTGFBIをターゲットとしたレンチウイルスベクターの作製に取り掛かる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] Salk Institute for Biological Studies(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Salk Institute for Biological Studies
  • [雑誌論文] Generation of mouse model of TGFBI-R124C corneal dystrophy using CRISPR/Cas9 -mediated homology-directed repair2020

    • 著者名/発表者名
      Kitamoto K, Taketani Y, Fujii W, Inamochi A, Toyono T, Miyai T, Yamagami S, Kuroda M, Usui T, Ouchi Y
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 2000

    • DOI

      10.1038/s41598-020-58876-w

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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