研究課題/領域番号 |
17K11462
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
池田 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00433243)
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研究分担者 |
森 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40252001)
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10263097)
中野 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70381944)
佐藤 隆一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30717533)
吉井 健悟 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90388471)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 全ゲノム解析 / 緑内障 / 眼圧下降 / 緑内障点眼 |
研究実績の概要 |
1. データベースから点眼薬と眼圧下降効果のデータの抜出、整理:原発開放隅角緑内障の全ゲノムのバリアントデータ取得済みのサンプルを833例のうち、昨年度でデータ確認が終わった症例は211例であったが、本年度は全症例の確認および入力が完了した。833例のうち今回の研究対象となる薬剤処方で、その処方前後に点眼内容が変化しないで3回の眼科受診の眼圧があった症例は303例(男女比148:155、平均年齢61.9±12.7歳)であった。そのうちプロスタグランジン(PG)製剤点眼は194例で、「①ラタノプロスト(LA)追加群」は90例、「②LAへの切り替え群」は18例、「③LA以外のPGを追加群」は16例、「④LA以外のPGに切り替え群」は70例、「⑤ベータブロッカー製剤点眼(β)追加群」は47例、「⑥β切り替え群」119例、「⑦炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)追加群」は43例、「⑧CAI切り替え群」は8例となった。それぞれの平均眼圧下降効果は①2.7±1.9mmHg、②1.6±3.5mmHg、③2.0±2.9mmHg、④1.0±1.9mmHg、⑤1.1±2.3mmHg、6日⑥0.3±1.9mmHg、⑦1.2±3.2mmHg、⑧-0.2±2.1mmHgであった。 2.点眼薬の眼圧下降に寄与するバリアントの解析 ①から⑧の中で多数症例だったのは①のLA追加効果でN=90、次いで④のLAからビマトプロストへの切り替え効果N=34、ついで⑦のCAI追加でブリンゾラミドの追加効果N=39、ついで⑤のカルテオロール追加効果N=28 であった。その他はN数が10以下であった。上記の各薬剤で眼圧下降効果と1000Kの全ゲノム解析を現在解析中である。 3.新規症例の収集およびデータ整理 現在、1000Kではなく別のチップの全ゲノム情報のある適応症例を400例程度保持しており、その薬剤情報を収集中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で、1000Kのバリアントデータを持つ広義原発開放隅角緑内障833例の薬剤のデータ確認及び効果は整理でき、症例数は少ないながら予定通り薬剤と眼圧下降効果にかかわるバリアントを同定すべく全ゲノム解析を解析中である。しかしながら薬剤の種類が多岐にわたり、薬剤別で分類していくとN数が少なくなり、そのため有意なバリアントが同定できていない可能性があるので、各薬剤で細かく分けず、「プロスタグランジン」、「βブロッカー」、「炭酸脱水酵素阻害剤」という大きなくくりなどでも眼圧下降効果のバリアントを同定できるよう、現在解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で予定通りの広義原発開放隅角緑内障833例の薬剤のデータ確認及び眼圧下降効果は整理できた。そのデータをもとに全ゲノム解析中である。その結果が得られたら、別集団で1000Kではないが全ゲノム情報を約400例ほど保持しているのでそれを再現性取得実験として解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
別集団で全ゲノム情報を約400例ほど保持しており、その薬剤情報収集のために人件費がかかるので、その費用とするため。
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