研究課題
1規定水酸化ナトリウム暴露による角膜内皮の上皮-間葉系移行と線維・瘢痕化の程度をスフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスで評価した。その結果、スフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスでは、野生型マウスと比較してアルカリ暴露後10日での角膜内皮面の線維・瘢痕化が減弱していた。同時に前房、眼内炎症が抑制されていた。角膜内皮の上皮-間葉系移行と線維・瘢痕化がノックアウトの細胞への一義的影響か、炎症怪訝を解するものか、については次年度の研究課題と考えられた。水晶体穿刺モデルでの水晶体上皮細胞の上皮ー間葉系移行でのスフィンゴシン・1リン酸シグナルの関与の有無を検討するために、C57BL/6マウスで水晶体穿刺の5日後でスフィンゴシン・1リン酸受容体2型、3型の発現を免疫組織科学的に評価した。このモデルでは5日で上皮ー間葉系移行が完成することを以前に豊国している。その結果、スフィンゴシン・1リン酸受容体3型(2型ではなく)の発現が上皮ー間葉系移行を起こしている穿刺部の水晶体上皮細胞の細胞塊の先端部に発現されていた。しかし、上皮ー間葉系移行に関係するTRPV1ノックアウトマウスとTRPA1ノックアウトマウスでその発現に変化は無かった。この成果はスフィンゴシン・1リン酸受容体3型マウスでの水晶体上皮細胞の上皮ー間葉系移行と組織の線維、瘢痕化の程度を研究する必要を示唆すると考えた。
2: おおむね順調に進展している
角膜内皮の上皮ー間葉系移行と線維・瘢痕化の程度をスフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスで抑制されることを見出せた。炎症の変化の関与の研究がまたれる。免疫組織化学的検討から水晶体穿刺モデルでの水晶体上皮細胞の上皮ー間葉系移行にはスフィンゴシン・1リン酸受容体の2型でなく3型が関与する可能性が高いことを知りえた。スフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスが準用に繁殖しているので、それを用いた水晶体穿刺による研究がスタート地点についている。
スフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスを用いた水晶体穿刺による上皮—間葉系移行と線維・瘢痕化の研究を速やかに開始する。炎症の変化の関与を排除するべく、組織、または期間培養による検討を行う。角膜内皮の上皮ー間葉系移行と線維・瘢痕化がスフィンゴシン・1リン酸受容体3型ノックアウトマウスで抑制されたことについて、さらに詳細な遺伝子発言の変化を検討する。免疫組織化学、real-time RT-PCRを用いる。所属で用いているマウス網膜剥離モデルでの網膜色素上皮の上皮ー間葉系移行と線維・瘢痕化でのスフィンゴシン・1リン酸受容体の2型及び3型の発現を検討し、関与が疑われる方のノックアウトマウスでのの上皮—間葉系移行の変化を検討する。
研究は概ね順調であるが、培養細胞を使った2018年度の実験計画が2019年度にずれ込んだため、そのための予算の執行が遅れている。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件)
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