本研究において, 遺伝性のShumiya Cataract Rat (SCR)にみられる白内障では、水晶体タンパクの不溶化が生じており、その水晶体上皮細胞(LEC)のDNAマイクロアレイ解析結果より、線維分化、抗酸化、浸透圧維持など水晶体の透明性維持に必要な遺伝子発現が減少していることが明らかになった。抗酸化タンパクPeroxiredoxin (Prdx6)のSUMO化による不活化を抑制したリコンビナント蛋白の投与は、培養LECにおける酸化ストレス防御能を高め、SCRに結膜下注射することで、白内障発症を遅らせた。よって脱SUMO化Prdx6には、白内障抑制効果があることが明らかになった。
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