研究課題/領域番号 |
17K11481
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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研究分担者 |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部, 准教授 (30346358)
佐々木 慎一 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30745849)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | サイトメガロウイルス / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / 細菌 / ステロイド / サイトカイン / real-time PCR |
研究実績の概要 |
起因微生物の量的把握について、サイトメガロウイルスについて解析を行った。 CMV感染が疑われた、あるいは除外診断のために前房水のCMV real-time PCRを施行した197例197眼を検討した。解析対象は、前房内HCMV DNA量、臨床所見、罹病期間とし、診断に対する有効性はReceiver Operating Characteristic解析、予後に対する影響の解析は、カプランマイヤー生存解析およびコックス比例ハザードを用いて検証した。 CMV眼感染症を診断する上でもっとも有効な項目は前房内CMV DNA定量であった。CMV DNA量は、角膜内皮炎型、前部ぶどう膜炎型、網膜炎型ともにArea under the curve(AUC)が それぞれ 0.95,0.96, 1.0となり、いずれの病型においてもすぐれた有効性を示した。次に診断に有効な所見は、前眼部型においては再発回数、眼圧上昇となった。前房内CMV DNA量は、網膜炎型において最大であり、他の病型より有意に高いDNA量を示した。前房内CMV DNA量は、角膜内皮炎型、前部ぶどう膜炎型ともに頻回の再発に対して有意なオッズ比(2.2 (P=0.000), 1.5 (P=0.002) per log CMV IU/ml)を示した。前眼部CMV感染症の平均罹病期間は15.7年と長く、前房内HCMV DNA量は罹病期間と有意な相関を認めた(ρ=0.50, p=0.02)。罹病期間延長に影響した因子は 前房内HCMV DNA量及び角膜内皮細胞減少でありそれぞれハザード比 0.32 (P=0.02), 0.34 (p=0.04)となった。 CMV眼感染症を診断する上で、前房内HCMV DNA定量はもっとも有効な検査であった。 細菌性角膜炎、ヘルペス性角膜炎関連のステロイド使用の影響についての臨床研究は症例エントリー中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
真菌以外のrael-time PCRはうまくいっており、症例のエントリーも少しずつながら進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
真菌のreal-time PCRについては本研究の対象からはずす。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度早々に海外の学会があるため、その旅費に有効利用するため残した。
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