研究実績の概要 |
目的:アルドステロン全身投与後の血漿アルドステロン濃度と網膜神経節細胞の障害の関係を明らかにすること。 方法:ラットの皮下にオスミックポンプを埋め込み、アルドステロン(40, 80, 160 μg/kg/day)と基剤を投与した。2週後に血漿アルドステロン濃度をELISA法にて測定した。6週後には眼球を摘出し、網膜伸展標本を作成した後、網膜神経節細胞数を評価した。 結果:基剤、40, 80, 160 μg/kg/dayアルドステロン全身投与後の血漿アルドステロン濃度はそれぞれ212±18 pg/ml, 366±94 pg/ml, 478±75 pg/m, 1790±473 pg/mlであり、160 μg/kg/dayアルドステロン投与により血漿アルドステロン濃度は有意に上昇した(P<0.001:ダネットの多重比較)。また網膜神経節細胞数は基剤、40, 80, 160 μg/kg/dayアルドステロン全身投与で、それぞれ2688±407 /mm2, 2240±357 /mm2, 2086±338 /mm2, 137±110 /mm2であり、80 μg/kg/day 及び160 μg/kg/dayアルドステロン投与により網膜神経節細胞数は有意に減少した(P <0.001:ダネットの多重比較)。また血漿アルドステロン濃度と網膜神経節細胞数には負の相関を認めた(r=-0.911, P<0.001:ピアソンの相関係数)。 結論:血漿アルドステロン濃度の上昇に伴い網膜神経節細胞数は減少し、両者の関係は強い負の相関を認めた。
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