研究実績の概要 |
【目的】アルドステロン投与ラットの視神経乳頭血流障害と網膜神経節細胞死との関係を検討する。 【対象と方法】ラット視神経乳頭血流(右眼)はLSFG Microにて血管領域(MV)と組織領域(MT)を評価した。初回LSFG測定後浸透圧ポンプでアルドステロン(80μg/kg/day、n=7)又は基剤(n=5)の持続投与を行った。モデル作成1、2、4週後に各測定後、網膜伸展標本にて網膜神経節細胞数を評価した(右眼)。経時変化は一般化線形混合モデルで、相関はピアソンの相関係数で解析した。 【結果】アルドステロン投与後の変化率はMV: -0.7±3.9、-14.4±3.7 、-25.2±6.6、MT: -1.6±6.9、-19.7±7.7、-14.5±10.9% (周辺平均±標準誤差、1、2、4週の順)であり、投与前と比べMVは2、4週後 (共にp<0.001)、MTは2週後 (p=0.01) 有意に低下した。基剤群はMVで2週後に有意に増加し(p<0.05)、MVは2、4、MTは2週後でアルドステロン群と比較し有意に高値であった。網膜神経節細胞数ではアルドステロン群(244±44/mm2)は基剤群(509±93/mm2)より有意に少なく(p=0.003)、網膜神経節細胞数と、4週目のMV、MTには正の相関を認めた (MV: r=0.777, p<0.05. MT: r=0.958, p<0.001)。 【結論】アルドステロン全身投与によりラット視神経乳頭血流は減少し、網膜神経節細胞数と有意な相 関を認めた。
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