今後の研究の推進方策 |
網膜前駆細胞とミュラー細胞におけるrax、pax6, sox9, lhx2, chx10遺伝子の標的遺伝子およびその転写量がどのように遷移しているのかChIP-seqおよびRNA-seqにより解析を行う。平成30年度はまず胎生期の網膜前駆細胞と成熟ミュラー細胞の解析を行う。その後に生後網膜前駆細胞との比較を行う予定である。上記の解析により、単なる網膜前駆細胞とミュラー細胞の比較だけでなく、網膜前駆細胞の分化能が限局される過程およびミュラー細胞の成熟過程それぞれにおける転写制御ネットワークの遷移も解析可能となる。本実験を行うにあたり必要とされる細胞分離であるがセルソーターを用いることを予定しているが、より簡易で安価な磁気ビーズを用いたMACSによるミュラー細胞の分離も検討している。上手く出来れば時間も短縮できその分細胞への影響も少なくできると考えられる。ChIP assayにおいて抗体の特異性は結果を大きく左右するものであるので、その特異性については、抗体染色やクロマチン免疫沈降定量PCRにより十分に検討を行う。ChIP-seq解析は基本的に外部に委託する予定である。またデータ解析は基本的に自身で行う予定である。最近は解析の為の講習会も頻繁に開かれておりこれらも積極的に活用し、問題点に関しては外部研究者に協力を仰ぐ予定である。ChIP-seqとRNA-seqの結果をもとに、転写因子の転写ネットワークモデルを構築する。具体的には胎生期の網膜前駆細胞と成熟ミュラー細胞のrax、pax6, sox9, lhx2, chx10遺伝子の標的遺伝子遷移やエンハンサーの切り替えなどを明らかにする予定である。更にエンハンサーの活性の真偽についても検証を加える予定である。
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