研究課題/領域番号 |
17K11493
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 教授 (60251279)
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研究分担者 |
谷口 ヒロ子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (00535445) [辞退]
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 助教 (60516045)
武田 彩佳 日本医科大学, 医学部, 助教 (20804610)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 免疫チェックポイント / VISTA / 免疫制御 / 移植拒絶反応制御 / 眼炎症 / 角膜移植 |
研究実績の概要 |
眼内炎症の制御に関与する免疫制御分子(免疫チェックポイント)の候補分子のうち、V-domain Ig Suppressor of T cell Activatdion (VISTA)に注目して、角膜移植のモデルマウスを用いた分子免疫学的研究を行った。 眼内でのVISTA発現の解析に引き続き、角膜移植後に抗VISTA抗体VISTA阻害をした場合の移植片の生着曲線を解析し、対照抗体のそれと比較した。さらに、角膜移植片における浸潤細胞の解析を行った。移植宿主の頸部リンパ節と脾臓におけるVISTA発現の変化とT細胞のphenotypeも解析した。 その結果、RT-PCRで正常角膜および移植眼の角膜のいずれにもVISTAは発現していた。VISTA阻害により、角膜アログラフトの拒絶は増強し生着が短縮しVISTA阻害により、角膜移植片の浸潤T細胞数は増加した。 上記より、角膜に恒性的に発現するVISTAは、角膜移植後の拒絶反応を制御する免疫チェックポイントの役割をもつことがわかった。その成果は、国内外の学会や研究会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の進歩状況は、ほぼ計画どおりに進展している。 眼内におけるVISTA発現の解析、角膜移植モデルにおけるVISTA阻害をした場合の移植片の生着曲線解析、角膜移植片の局所における浸潤細胞の解析において、有用な上記のように結果を得た。 一方、角膜移植宿主の2次リンパ器官(頸部リンパ節と脾臓)におけるVISTA発現の変化とT細胞のphenotypeの解析については、VISTA阻害群と対照群間に有意差は無かったため、次年度に予定している前房関連免疫偏位モデルにて頸部リンパ節と脾臓の解析を追加する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は当初の計画どおり下記実験を行い、29年度の角膜移植モデルでの研究結果が、別モデル(前房関連免疫偏位モデル)で裏づけられるかを検証する。 眼由来末梢性免疫寛容現象(前房関連免疫偏位:ACAID)のモデルを用い、VISTA阻害がACAID誘導に影響を与えるかどうか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物飼育施設及び実験スペースの移動があったため。 研究費及び研究計画の一部を次年度に繰り越したが現在は順調であり、今後の研究計画に変更はない。
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