研究課題
これまでの研究において、網膜神経幹/前駆細胞の表面マーカー解析を行い、CD271をはじめとするいくつかの表面マーカーを選出することができた。ヒト虹彩由来組織幹細胞の維持培養法については、2018年度に報告した阻害剤に加えて、細胞培養ディッシュをコーティング(論文投稿準備中のため、X物質とする)することで、完全ではないが組織幹細胞の状態を維持したまま培養することができることを見出した。この組織幹細胞の維持培養法は今後検討を継続していくが、虹彩組織幹細胞に限らず、ヒトのさまざまな組織に存在する組織幹細胞、さらにはガン幹細胞なども維持培養ができる可能性があるプレリミナリーなデータを得ている。さらに虹彩由来組織幹/前駆細胞、虹彩由来iPS細胞を用いて、パッチクランプによる電気生理学的評価法にて機能を有する網膜神経節細胞などへ分化誘導できること、さらに三次元立体構築の網膜層状配列を有する細胞凝集体を形成させることに成功した。次に、網膜前駆細胞様のステップまで分化させた細胞に対して、我々が独自に作成したドキシサイクリン添加の有無によって不死化遺伝子の発現をコントロールできるベクターを導入したところ、不死化細胞を作製することができた。ただし導入効率が低く、さらに前駆細胞の段階で維持培養する再現率が安定していないことから、今後更なる改良が必要である。一方、この不死化細胞を分化誘導した細胞を用いて、眼科手術で使用する色素の細胞毒性試験を行い、プレリミナリーなデータを得ている。今後、細胞培養の条件等の検討を引き続き行っていく。虹彩と作出元細胞が異なるiPS細胞を用いた分化誘導効率の比較実験を行ったところ、虹彩由来iPS細胞の方が遺伝子パネル検査において外胚葉系細胞へ分化しやすい傾向にあることが確認できた。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Med Mol Morphol.
巻: Online ahead of print ページ: .
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