網膜黄斑部は視細胞が集積する視力に最も重要な領域であり、その損傷は重篤な眼疾患につながる。本研究課題では黄斑形成、機能に関与する遺伝子を同定するため、小児網膜の黄斑部のマイクロアレイ解析を実施し、周辺部と比較して黄斑部において発現差が2倍以上、p-value < 0.05の基準に該当した遺伝子の解析を進めた。全体としては神経伝達に関連するものが多かったが、網膜分化とのつながりが不明な機能未知の遺伝子も含まれていた。また顕著な発現差を示した遺伝子にレチノイン酸や甲状腺ホルモンの代謝で働く遺伝子があり、これらのシグナル伝達経路による黄斑成熟期における遺伝子発現制御が示唆された。
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