研究課題/領域番号 |
17K11502
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 英之 東北大学, 大学病院, 講師 (40438461)
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研究分担者 |
田中 拡 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (50579448) [辞退]
仁尾 正記 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70228138)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 病型 / 予後 / microRNA |
研究実績の概要 |
胆道閉鎖症は新生児期から乳児期早期に閉塞性黄疸を呈する代表的疾患である。また十分な病因・病態解明が進んでいないため、20才までに半数以上が肝移植を 要する予後不良な疾患である。胆道閉鎖症の特徴の一つはその多彩な病型にある。そして病型はその背景因子や治療経過と関連があることが示唆されている。 我々はこれまでの研究で胆道閉鎖症の病態進展においてmicroRNAのエビジェネティック制御の関与について網羅的な発現解析を中心に研究を進めてきており、重要な知見を得ている。本研究はこれまでの研究を発展させ、microRNAによるエピジェネティック制御の観点から多彩な病型を来す原因を明らかにすることで胆道閉鎖症の病因病態の解明が目的である。 本研究では、これまでの網羅的解析で有意差を認めたmicroRNAのなかで、発現制御のターゲットとなるmRNAやGO termなどについて、胆道閉鎖症の病因・病態進展に関連があると予想されるものを候補因子として選定を進めて、さらに定量的な検討を進めた。 そのために多彩な胆道閉鎖症の病型のなかで最も高頻度に認められる肝門部閉塞型(胆道閉鎖症基本病型III型)のなかで、肝門部が結合織塊に置換され、総胆管が索状に閉塞している例を30例ピックアップして、ホルマリン固定パラフィン包埋切片から抽出したmicroRNAについてreal-time RT-PCRによる定量的検討を行った。併せて対象症例を中心に病型以外の手術日齢や病理学的所見などの因子や臨床経過の検討を進めた結果、予後と解析対象としたmicroRNAの発現により患者を層別化できることを見いだした。 本研究の成果により胆道閉鎖症の多彩な病態において肝内microRNAの発現が重要な意義を持つことが確認された。
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