研究課題/領域番号 |
17K11516
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉浦 時雄 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10381881)
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研究分担者 |
戸川 貴夫 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (10792814)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, その他 (30378195)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アラジール症候群 / 胆道閉鎖症 / 次世代シークエンサー / マイクロアレイCGH解析 / MLPA解析 |
研究実績の概要 |
アラジール症候群(ALGS)の臨床診断基準の5項目中3項目以上の対象をALGS群、2項目の対象を非定型ALGS群、また、術中胆道造影で胆道が造影されない対象を胆道閉鎖症(BA)群とした。最初に全ての対象にJAG1ならびにNOTCH2を含む新生児・乳児胆汁うっ滞の原因となる18遺伝子に対するNGS解析を行った。次にNGS解析で変異を認めなかった対象、もしくはJAG1の欠失が疑われた対象にJAG1のMLPA解析を行った。更にMLPA解析でJAG1の全エクソン欠失が同定された対象にaCGH解析を行った。 ALGS群30症例、非定型ALGS群9症例、BA群17症例に遺伝学的解析を行った。ALGS群では24症例 (80%)、非定型ALGSでは4症例 (44.4%)に病原性変異を同定した。変異の種類は、ALGS群ではJAG1のミスセンス変異4症例、ノンセンス変異6症例、スプライス部位の変異2症例、微細な挿入もしくは欠失7症例、単一エクソンの欠失1症例、全エクソンの欠失3症例、NOTCH2のミスセンス変異1症例、また、非典型ALGS群ではJAG1のミスセンス変異1症例、ノンセンス変異1症例、微細な挿入1症例、単一エクソンの欠失1症例であった。全エクソンの欠失の3症例中1症例はALGSの症状のみとされる範囲内であったが、2症例はその領域の範囲外に及ぶ欠失であった。 これまでの報告と比較すると、各群における病原性変異の同定率はほぼ同程度、同定された病原性変異の種類は、エクソン単位の欠失が多かった。本解析ではNGS解析で変異が同定されなかった全対象にMLPA解析を行っており、エクソン単位の欠失の同定に有効であったと考えられた。aCGH解析において欠失範囲がALGS以外の症状を呈するとされる範囲に欠失が及んでいた症例では、合併症の出現の有無に関して慎重に観察する必要があると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代シークエンサーを用いたJAG1ならびにNOTCH2の解析、JAG1のMLPA解析、aCGH解析の各解析手法を確立することができた。加えて、一定数の患者サンプルの集積ならびに解析を行い、一定数の変異の同定に至ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
NOTCH2のMLPA解析の確立を行う。加えて、更なる患者サンプルの集積し、解析を行う。
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