研究課題/領域番号 |
17K11521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
田中 奈々 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50530656)
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研究分担者 |
浦尾 正彦 順天堂大学, 医学部, 教授 (00213504)
宮原 克 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術員 (00420844)
藤原 なほ 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (20589543)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 腸管神経系 / 腸管神経堤細胞 / 細胞外マトリックス / ラミニン / インテグリン |
研究成果の概要 |
EDNRB欠損マウス(HDマウス)を用い、①HDマウスの胎生13.5日の無神経節腸管におけるラミニンの発現がコントロールに比べ高いこと②HD腸管においては、コントロール腸管でみられたラミニンによる神経発達効果は認められなかったこと③ラミニンのレセプターであるβ1インテグリンの発現は、腸管では2群間に差がなかったが、腸管神経堤由来細胞(ENCC)におけるβ1インテグリンの発現はHDマウスで有意に低下していたこと、を示した。これにより、EDNRB欠損マウスにおける無神経節腸管は、ENCCと腸管の微小環境との相互作用が妨げられ、正常の腸管神経発達が障害されることにより引き起こされることが示唆された。
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自由記述の分野 |
小児外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この実験は、ヒルシュスプルング病(H病)において、腸管培養中に付加する物質を変えることでその効果を試すことができるという、実験系としての将来性を秘めている。また今回ラミニン単独添加ではH病腸管において神経発達効果が得られなかったことから、レセプターの発現を調査しH病腸管で低下していることを明らかにした。今後はレセプターに着目することにより、今まで手術にしか根治し得ないとされてきたH病の治療に新たな風を吹き込むことが期待できる。実臨床では、便秘などの術後合併症がおこることがあるが、投薬による腸管神経伸長効果が実用化されれば、術後の補助療法としても、効果が期待できる。
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