研究課題/領域番号 |
17K11537
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡野 純子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50447968)
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研究分担者 |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00225434)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨髄細胞 / 皮膚難治性潰瘍 / 放射線障害 |
研究実績の概要 |
前年度は放射線照射の傷害皮膚のメカニズムを明らかにするためにラットの表皮細胞を用いたが、放射線照射後、無血清培養に耐えられずその後の実験が遂行できなかった。今年は数種類の細胞株を検討した結果、HaCaT細胞株が一番負荷後の生存率が良かったので、これを使用して実験を遂行した。HaCaT細胞に放射線を照射して無血清にて培養し、CCL17とCCl22を添加した。アポトーシス率と細胞増殖評価を行ったところ、CCL17を添加すると有意にケラチノサイトのアポトーシスが減り、細胞増殖が回復した。CCL22はCCL17ほどの効果は見られなかった。次にCCL17-CCR4 axisのpathwayにこの効果が乗っているかを確かめあるため、CCR4のsiRNA vectorを構築した。同じくHaCaT細胞に10GYの放射線照射をしてCCR4のsiRNAをtransfection後、無血清にて培養した。この状態でCCL17を加えたところ、細胞増殖能力は回復しなかった。この実験により、放射線照射により生じる放射性皮膚炎から治癒する際、確かに表皮細胞はCCL17-CCR4 axisを使用していることが証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にてコロナチームに駆り出され、しばらく研究活動ができなかった。また、同じくコロナ禍にて社会の輸送システムが遅延し、なかなか細胞株が届かなかった。
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今後の研究の推進方策 |
vitroではCCL17が放射線で傷害された表皮を回復させる力があることは分かったので、次はvivoで検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物の飼育費に利用して、最終実験を終える予定である
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