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2017 年度 実施状況報告書

骨髄由来間葉系幹細胞のstemnessを評価する分化予知マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11541
研究機関広島大学

研究代表者

金輪 真佐美 (福永真佐美)  広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (00284208)

研究分担者 藤本 勝巳  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (40294566)
平田 伊佐雄  広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (40346507)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード移植・再生医療 / 間葉系幹細胞 / 脂肪分化 / ITGA5
研究実績の概要

再生医療の材料として研究されているiPS 細胞、ES細胞、間葉系幹細胞(MSC)などの幹細胞の中でMSCは癌化のリスクが低いことが知られている。申請者は、多数のドナーの骨髄液から MSC を分離培養し、それらの多分化能を測定したところ、MSC の軟骨分化能はドナーの加齢に伴って低下することまた骨分化能や脂肪分化能においても非常に個体差があることを明らかにした。このように MSC の分化能はドナーによる個体差があるにも関わらず現在のところ移植以前に移植幹細胞の分化能の個体差を考慮した移植治療は行われていない。言い換えれば移植前に移植材料の分化能を測定する技術は確立されていないので低レベルの分化能しか有しない幹細胞を移植するケースが推測される。移植以前に分化能が低い移植材料を用いても移植が成功する可能性は低いことから申請者はMSCの分化能を分化前に予測できる方法を開発することを目的とし以下の実験を行った。
ヒト顎骨由来MSCは腸骨由来MSCに比べて脂肪分化能と軟骨分化能が低いことを利用し分化前に発現している遺伝子発現量と分化後の脂肪分化能の間の相関関係をSPSSを用いて分析した。脂肪分化マーカーとしては脂肪分化誘導後のGPDHを指標とした。分化前に発現している遺伝子に関しては線維芽細胞より骨髄由来MSCで発現が高いとされている95個の遺伝子発現量をリアルタイムPCRによって定量したものを用いた。
95個の遺伝子に中で脂肪分化後のGPDHのポテンシャルと有意な相関関係にあった遺伝子が十数個見つかった。中でもITGA5は一番相関係数が高く脂肪分化能と重要な関係があることが示唆されたためITGA5の抗体を用いて脂肪分化抑制実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腸骨由来MSCを通常培養し脂肪分化誘導を行ったところ予想通りの脂肪分化能を得ることができた。ITGA5の抗体を培養液中に添加したところコントロール抗体添加の培養系と比べて有意に脂肪分化能が低下していた。培養も抑制実験も順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

脂肪分化においてITGA5が重要な意味を持つことが明らかになったが、脂肪分化能と有意な相関関係にある遺伝子は他にも見つかったことからこれらとITGA5との関係をSPSSを用いて分析し明らかにしていく。
また脂肪分化能だけではなく骨分化、軟骨分化についても検討していく。

次年度使用額が生じた理由

ある程度研究成果がまとまってきたので当初計画していた実験を一部省略することが可能となったために次年度使用額が生じた。一方、まとまってきたデータを用いて論文執筆に着手し校正料金が必要となったが校正料金全額を平成29年度の予算では賄うことが不可能であったことから校正料金は次年度使用額を平成30年度の予算と合算して使用することにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Characterization of human dental pulp cells grown in chemically defined serum-free medium2018

    • 著者名/発表者名
      Fujii S, Fujimoto K, Goto N, Abiko Y, Imaoka A, Shao J, Kitayama K, Kanawa M, Sosiawan A, Suardita K, Nishimura F, Kato Y
    • 雑誌名

      Biomed Rep

      巻: 8(4) ページ: 350 358

    • DOI

      10.3892/br.2018.1066

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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