• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

原発性リンパ浮腫患者に対する新たな治療法の開発(サイトカインを標的とした治療)

研究課題

研究課題/領域番号 17K11544
研究機関横浜市立大学

研究代表者

三上 太郎  横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (90315804)

研究分担者 涌井 広道  横浜市立大学, 医学部, 講師 (10587330)
矢吹 雄一郎  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30610357)
前川 二郎  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70244449)
吉見 竜介  横浜市立大学, 医学部, 講師 (70585265)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード原発性リンパ浮腫 / TNF-α / 慢性炎症 / 薬物治療
研究実績の概要

本研究で得られた結果は、2018年度に preliminary report の形での報告論文として投稿した。2019年度においては、当該論文が査読を受け、 revise して Lymphatic research and Biology 誌に掲載されるまでの作業を行った (Lymphat Res Biol. 2019 Nov 21. doi: 10. 1089/lrb. 2019.0046. Online ahead of print。)。
2020年度においては,上記論文が ahead of print の形から実際に publish されたことが確認された (Published Online: 01 Jun 2020)。
本研究の最終目的は(1)原発性リンパ腫発症メカニズムの仮説提唱をすること 並びに(2)原発性リンパ浮腫に対する新たな治療法としての Factor X (TNF-α)阻害薬の効果を検討することであった。ここで、(2)については(1)がある程度の認知、認証を得ていることが前提であった。このためまず、2017及び2018年度は(1)に注力した。
この結果、TNF-α については原発性リンパ浮腫において(続発性リンパ浮腫と比較して)有意に集合リンパ管平滑筋層に沈着していることを確認した。
以上の結果より、原発性リンパ浮腫の発症に関する Factor X の関与機序などを考察および報告し、「原発性リンパ浮腫発症に TNF-αを中心とした炎症が関与しているというメカニズムの仮説と検証結果の報告」を行うこととして,2018年度内に論文化した。2019年ではこの論文が ahead of print の形で online 掲載され、2020年6月に上記の如く出版に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当病院の倫理委員会で臨床研究計画書を通過させるにあたり必要な、説得力のある根拠として,上記のごとき論文化されたデータが不足している状態であった。
論文は2019年11月に受領/掲載され,既存のTNF-α阻害薬の製薬会社と,保険適用外使用についての検討のため連絡を継続している。場合によっては院内での先進医療推進のための許可取得や,医師主導型治験なども視野に入れている。しかしながら,2019年末からの COVID-19 蔓延の影響により各種会議や外来患者受診そのものが制限されており,なかなか進捗しない状況である。

今後の研究の推進方策

上記のように、臨床研究計画を作成し,当院の臨床研究に関する倫理委員会へ提出する予定である。通過した後は、予定通りに臨床研究を遂行する方針である。横浜市立大学附属病院および大学の各機関との調整が必要になり、準備中である。

次年度使用額が生じた理由

2021年3月現在で本研究は,基礎研究から臨床研究への進展の点で目標未達の状態である.つまり実際に臨床へのTNF-α阻害薬適用が開始できていない.研究の遅延は本研究の施行根拠となる論文の受領,掲載に時間が掛かったことと,研究代表者の異動,そして何よりも新規感染症 (COVID-19) の蔓延が主たる原因である.
研究資金は臨床研究計画作成のための事務費用や関連学会への出席,薬剤(サンプルを含めた)購入などに使用することを計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Preliminary Report: The Relevance of Tumor Necrosis Factor-α in Acquired Primary Lymphedema-A Histopathological Investigation2020

    • 著者名/発表者名
      Saori Asano , Taro Mikami , Shinobu Matsubara , Jiro Maegawa , Hiromichi Wakui , Kouichi Tamura , Ryusuke Yoshimi
    • 雑誌名

      Lymphatic Research and Biology

      巻: 18 ページ: 232-238

    • DOI

      10.1089/lrb.2019.0046

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi