我々は幼弱化シュワン細胞が蛍光発色するnestin-GFP mouse を保有し用いることで、Donor 神経に少なくとも軽微な損傷を加えることで多くのシュワン細胞の遊走が無細胞化神経内に観察され、特に移植神経の両側端をDonor 神経へ端側神経縫合を行なった群でさらに豊富なシュワン細胞が短期間に遊走し移植神経全域へ充填することに成功し2016年に報告した。 当施設の遺伝子組み換え動物の研究施設の改修工事が行われることとなり、上記モデルが作成困難な状況となった。そのため、一度繁殖していたマウスを凍結受精卵の状態にする必要に迫られた。また、時期を同じく他施設へ出向となったため、凍結受精卵を孵化させ出向先にて遺伝子改変マウスを飼育する手続きが完了し、元の施設で孵化させ出向先に搬入し研究を開始した。GFP-positiveのmouseの繁殖に時間を要したが、直径1mmのリナーブをDonor神経に端側縫合するモデル作成を開始した。長さを10mm程度として端側縫合モデルの作成を行ったが、リナーブの柔軟性が乏しく両側端を端側縫合することは困難であった。また、繁殖されたGFP-posivite mouseの大腿神経の大きさも細いものが多く、柔軟性の乏しいリナーブとの神経縫合が困難であった。片端を端側神経縫合したモデルを前実験モデルとして数匹作成し、Live imagingでの蛍光発色を確認したが、発色が確認できなかった。さらに、出向先の遺伝子組み換え動物の研究施設の改修工事が決定し、マウスの飼育の継続が困難となった。遺伝子組み換え動物をLive imaging技術を用いて経時的に観察し、シュワン細胞の遊走を観察しているため、相次いでモデル作成の継続困難な状況のため、モデル作成の段階で継続ができない状況が続いた。
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