1、治療・手術支援システムの改良とシステム実験:(1)鏡利用の3次元撮影装置・頭部固定装置の検証や表情撮影法の改良を行い、また被験者への撮影表情指導のビデオ作成を進めた。(2)現行の日本語表示より全英語表示へのシステム表示法の改良を進め、より普遍性の高い部位別ウインドウ設定法を検討した。(3)開発した3次元表情運動解析のアルゴリズムのシステム実装を検討し、移動量測定のキャリブレーション機能の検証を進めた。(4)撮影時の体動による測定誤差対策として、解析ソフトでの体動移動量の処理法を検討した。(5)3台のビデオカメラによる3次元撮影装置を製作し、健常者での試用と患者での臨床応用を進め、その3次元表情運動解析のアルゴリズムの検討を進めた。 2、治療・手術支援システムの臨床応用と評価: 顔面神経麻痺の保存療法や再建手術、顔面神経麻痺による病的共同運動・拘縮や顔面痙攣に対するボツリヌストキシン治療を対象として、治療や手術前後に各種表情運動のビデオ撮影を3次元撮影装置(頭部固定装置あるいは3台のビデオカメラ利用)も利用して行った。これらのビデオ撮影データをシステムにより表情運動解析し、解析結果の臨床的意味付け及びこれに基づいた手術・治療計画の検討や治療評価を行った。また、顔面運動障害の患者アンケートによる自覚症状の改善度、機能的検討(兎眼、食事のもれ・言語の口唇機能)、柳原法やHB法による評価、などと解析結果を比較・検討し、開発したシステムの有効性につき検討した。筋移植や神経再建例では筋電図(誘発電位や干渉波形)検査を行い、筋電図検査による表情運動評価と比較・検討した。 3、研究成果の発表、システムの普及: 本研究の内容や開発したシステムの詳細、また顔面表情運動障害への応用の詳細につき、学会発表や論文作成を行い、また内容紹介のWeb siteのホームページの改訂を進めた。
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