研究課題/領域番号 |
17K11559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森山 博由 近畿大学, 薬学総合研究所, 准教授 (90581124)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脂肪由来間葉系間質幹細胞 / 解糖系代謝 / シグナル伝達 / 再生医療 / 3次元皮膚構築 |
研究成果の概要 |
脂肪由来幹細胞の低酸素応答に関わる責任遺伝子群(マスターレギュレータ)を選別し、この特性をもつ細胞亜群が発現する表面マーカーを同定し、間葉系に属する各種の終末細胞への分化特性に傾向があることを見出した。さらに、マスターレギュレータを指標とした脂肪細胞分化に長けたHx-hASCの亜集団の分画は、ある一定の終末細胞に高い分化特性をもつことを見出した。また、人工皮膚3次元モデルの基礎的な検討において、ケラチノサイトなどの上皮構成細胞の維持に対する線維芽細胞との相乗効果、ならびに線維芽細胞とこの脂肪由来間葉系幹細胞亜群との質的量的なバランスが、真皮層のターンオーバーに影響を及ぼすとする知見を得た。
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自由記述の分野 |
幹細胞生物学/皮膚科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪由来間葉系幹細胞は培養を施されることによる選択的なバイアスがかかることが大きな障壁であった。ゆえに、生体内の生存環境のなかでも低酸素領域を好む脂肪由来間葉系幹細胞について、その幹細胞性の維持機構の解明は、極めて重要な知見となる。本研究では、脂肪由来幹細胞におけるNotch-低酸素応答シグナルが制御する解糖系亢進メカニズムに関わる責任遺伝子群の選別に成功し、間葉系に属する各種の終末細胞への分化特性に傾向があることを見出した。面白い事に、この亜集団はヒト表皮組織が豊潤に分化成熟することもわかった。以上の結果や知見は、真の脂肪由来幹細胞の同定と生体内での機能の理解への一助を照らすものと思われる。
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