研究課題/領域番号 |
17K11563
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 一益 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80738948)
|
研究分担者 |
武藤 達士 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (80462472)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | mTOR / くも膜下出血 / 早期脳損傷 / 加齢 |
研究実績の概要 |
【具体的内容】 本研究では、mTOR阻害剤が有すると推察される脳保護効果について、くも膜下出血(Subarachnoid haemorrhage: SAH)モデル動物を用いた検証を実施する事を大きな研究目的としている。8週齢から12週齢程度のマウスで作成したSAHモデルでの検証後に、老齢化したマウスを用いた検証を行う。初年度はmTOR阻害剤のSAH後の早期脳損傷(Early brain injury: EBI)に与える影響を9週齢の野生型マウス(C57Bl/6J)を用いて検証を行った。本実験は本研究の最終課題である老齢マウスに対するmTOR阻害剤の効果を評価するパートとなる前段階の検証である。Endovascular perforation法によりSAHモデルを作成し、mTOR阻害剤の有効性についてPreconditioning効果とPostconditioning効果の両側面について検証を行った(Postconditioning効果については現在検証中)。中大脳動脈最大流速測定、% Vascularityの測定、そして行動異常の評価を基に、mTOR阻害剤の有効性を評価した。現段階ではPreconditiong効果についておおよその結果が明らかになりつつあり、mTOR阻害剤を投与する事により、SAHモデル作成後の行動異常や脳虚血からの回復が早い傾向を示す結果が得られつつある。この検証結果は学術ジャーナル(Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology )に以下のタイトル”Rapamycin protects against early brain injury independent of cerebral blood flow changes in a mouse model of subarachnoidhaemorrhage”で投稿を行い受理された(現在、印刷中である)。
【意義】 9週齢の野生型マウスを用い、mTOR阻害剤の効果を評価することで基礎的なデータの収集を行うことができつつある。本結果は、今後実施する予定である老齢マウスでの実験結果を解釈するに当たり、非常に重要な知見であると考えられる
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究成果に100%の満足度は無いが、短期間ながらも実施した研究成果を学術ジャーナルを通して世に公表できたため次年度以降の研究の励みとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は9週齢の野生型マウスを用い、mTOR阻害剤の脳保護効果(Postconditioning)について検証を行う予定である。現在の研究進度を保ち、前年度以上の研究成果を挙げられるようにフットワーク軽く情報収集を行いながら研究に従事する予定である。
|