研究課題
本研究では,MRI Arterial Spin Labeling (ASL) 法の最適なプロトコルを作成,検証し,急性脳障害を対象に,本法による病態の経時的評価,治療効果判定 を 目指す. てんかん重積(特に非けいれん性)や血行再建術後過灌流現象を呈する患者群は,発症早期から適切な病態把握と積極的な治療介入を行わなければ,重 篤な神 経後遺症を生じることが知られている.一方,意識障害以外に特異的な症状を示さないことが多く,診断が困難であり,治療に遅れが生じることがあっ た.ま た、これらの急性脳障害においては十分な鎮静下に治療を行う必要があるが,鎮静中は神経機能評価が困難となる.覚醒へ向けての病態評価および治療効 果判定 に,感度の高い検査を反復して行う必要があるが,現行の表面脳波,PET,SPECT では,その感度,反復施行性 に問題があった.本研究の特徴は,この診 断困難 な疾患群の病態評価および治療効果判定に,表面脳波,PET/SPECTを代替する手法として,MRIで簡便に,反復して評価可能にする方法を開発し,広く一 般診療に おいても利用可能な方法として普及することを目標としている.これまでにSiemens社の3T-MRIおよびworkstationを用いて収集から解析までおこなって きたが、令和2年度からはPhilips社の3T-MRI/workstaionでも同様の評価を可能とするべく、データの蓄積をおこなった。本研究は神経集中治療領域の患者を対象に 行われるが、COVID19拡大の影響で、ICUの使用、予定手術日程に制限があったことから、計画に遅延があり、研究期間延長の上、データ収集をおこなった。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
Hypertens Res .
巻: 45(4) ページ: 591-601.
10.1038/s41440-022-00862-y