研究課題/領域番号 |
17K11575
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹葉 淳 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80598681)
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研究分担者 |
菊池 聡 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (00467854)
馬越 健介 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (10467855)
松本 紘典 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (70772531)
安念 優 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (10795305)
中林 ゆき 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (30795307)
相引 眞幸 愛媛大学, 医学部附属病院, 研究員 (70148162)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 高体温 / 脊髄バイオマーカー / 二次損傷 |
研究実績の概要 |
8~12週のWistar系メスラットを用いてイソフルレン麻酔下にT10~L2椎弓を慎重に切除し脊髄を露出した。この処置中は、直腸温をモニターしながらPhysio Suite for Mice and Rats(Kent Scientific CORPORATION)を用いて体温を平温状態に維持した。脊髄損傷作成装置IH-0400 Impactor(室町機械株式会社)を用いて、露出部分の脊髄に一定の外力を加え脊髄損傷モデルを作成した。また、脊髄露出まで行ったラットをコントロール群とした。脊髄損傷受傷後6時間後(N=4)、24時間後(N=6)、48時間後(N=6)、72時間後(N=7)、コントロールラット(N=2)は手術後24時間で致死量のペントバルビタールを腹腔内に投与して深麻酔下にラットを安楽死させ、直ちにT12を中心に脊髄を1cm摘出した。摘出した脊髄を氷冷したPBS1mlに浸して、10μlのプロテアーゼ阻害剤(protease inhibitor cocktail : SIGMA)を加えた後に、ホモジナイザーにて4000回転8strokesの条件でホモジナイズした。ここからタンパク測定用に検体を50μl採取し、タンパク濃度測定まで-80℃で保存した。残りの検体は4℃10000Gの条件で15分遠心し、さらに得られた上清を再度4℃10000Gの条件で15分遠心し、得られた上清をTNF-α測定まで-80℃で保存した。上清内のTNF-α濃度をラットTNF-α ELISAキット(R&D)を用いて測定した。1サンプル2回の測定を行い、得られた値の平均値を解析に使用した。なお、得られた値はタンパク含有量(Bradford法にて測定)で補正した。損傷脊髄部のTNF-α含有量はコントロール群に比較して受傷後6時間以降、72時間まで増加していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
脊髄損傷の程度の設定に時間を要したため。 最初に作成した脊髄損傷モデルでは、損傷後の脊髄内TNF-α含有量が少なく、脊髄損傷の程度をあげて、再度モデルを作成しなおしたために進捗状況が遅れました。
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今後の研究の推進方策 |
脊髄損傷モデルを用いて脊髄を損傷後に平温状態に体温管理し、その後脊髄を摘出して、ELISA法で脊髄損傷部位におけるTNF-αの含有量を経時的に測定した。結果は、時間の経過とともにTNF-αの含有量は増加していくことが分かった。同じサンプルを用いて、神経損傷のバイオマーカーであるpNF-HとNSEの測定を行う。また受傷後1時間40℃の高体温に維持した群を作成して同様の計測を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
脊髄損傷の条件を変更したため、当初の実験の進捗状況が遅れたため、次年度繰越および実験期間の延長を申請しました。脊髄損傷の程度を増やしたモデルを使用して、脊髄からの炎症性サイトカインと神経バイオマーカーを採取しています。平温群は採取終了したので、次年度は高体温群の採取を行い、データ解析します。
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